ありがてぇ。
卯月の新章を書くかどうしようか迷っている、『もふもふ邪神に懐かれた少年は腹黒聖女様のお気に入り』に、レビューを頂きました。
主人公の成長に納得感がある
https://kakuyomu.jp/works/16818093075348152255/reviews/16818093090288647665読み合い企画に参加させて頂いてのレビューですけど、この方第1話から最新第65話まで一気読みです。卯月も昔は週末に気になる50、60話くらいの作品を何作も読んでいたのを思い出しました(この方も、読む方もかなりの手練れかと)。
というわけで、八白 嘘さまのご紹介。
最新作
異世界は選択の連続である[Re:] ~ブラック社員、自らのチート能力に叛逆す~ 第一章第1話 1/流転の森 -1 選択肢
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894608438/episodes/16818093079135788396お星さまも、フォロワーさまもかなり多い方なので、卯月が語るまでもなく。
そんななかで個人的に気に入ったのがこちら。
うにゅほとの生活 2011年11月25日(金)
https://kakuyomu.jp/works/16816700429127973745/episodes/16816700429127981232「2011年10月15日、少女を拾った
2011年11月25日、日記を付け始めた」
この2011年11月25日から2014年12月13日まで続く全1112話の壮大な作品。一話一話は何気ない日常の一コマのように見えて、なぜだかグッとくるものがあります。ついつい12月25日のクリスマスまでイッキ読みしてしまいました。
日記文学?とでも言うのでしょうか。たしか、昔はこのような形式のネット小説を多く見た気がします。それが却って懐かしさなんかを感じさせます。
話変わって、いつもの創作関連の気づき系。
最近読んだ本からの気づき的なモノ 「荒木飛呂彦の漫画術」⑤
前回は「キャラクターの作り方」のお話しでした。「動機」が大事。その他「動機リスト」の書き方や、「人間の基本的な欲望」の話、「悪役」の話など興味深い内容が本書では続くのですが、それは本書をじっさいに読まれたほうがよいかと。それに新刊で『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』というのが11月に出版されています(内容はこの「漫画術」を読めば十分だとか書評ではあがっているので、どうしようかと卯月は検討中)。
で、今日は「ストーリーの作り方」についてざっくりと。
荒木先生の「基本四大構造」においては「キャラクター」と「世界観」ほど重要視されません。ですが、こう仰られています。
「ストーリーがなくても漫画は成り立ちますし、そして、ストーリーが中心の漫画は王道とは言えません。それでも僕は、漫画にストーリーは必要だ、と考えています」
小説だとそれはストーリーそのものなのかもしれませんが、「漫画」の考え方からも学ぶことが多くあると卯月は思いますので、続けます。
「なぜなら、ストーリーがない漫画には弱点があるからです。たとえばキャラクターが中心の漫画は、一世を風靡したキャラクターであるほど、時が経てば時代遅れになってしまうでしょう。なぜなら、キャラクターは時代性を反映するものだからです」
うんうん。そういうお話しですね。ライトノベル界隈は、時の経ち方が超ゆっくり(いや、止まってる?)なんて思ってみたり。
その時間の経過、時代の変化で「作品」の魅力が失われてしまうのを防ぐのが、ストーリーの役割だと書かれています。
アップデートが必要。
例として「サザエさん」や「こち亀」が取り上げられていますが、これらが何十年も続いたのかといえば、「その時その時で新しく作ったエピソードを加えて、現代風にアップデートし続けているからで、つまり一連のエピソードからなるストーリーによってリニューアルしている」からだと書いています。
連載が終わるまでずっと続いていく「ストーリー」と、一話ごとにその都度完結する「エピソード」。この「エピソード」が読者の心を捉える上で決定的に重要な役割を果たすのだと書かれています。
たとえば、最終的には『宿敵を倒す』というストーリー上の大きな目標があったとして、そこに至るまでの過程が『ただ遠い道のりを歩くだけ』とか『ひたすらトレーニングに励む』というのでは、読者は目標へたどり着く前に読むのをやめてしまう。しかし、その過程に様々な出会いや戦いといったエピソードがあることで、読んでいる人もストーリー上の最終目標に向けたモチベーションを維持し、高めることができる、そう荒木先生は説明しています。
書き手の皆様は十分承知しておられる内容かもしれませんが、読者さまにとって、この「ストーリー」がぼんやりしたものとなったり、「エピソード」が作者が思っているほどヒットしないというのは、感じたことはないでしょうか?(卯月はよくそれを考えて、悩みます)
それで、荒木先生の考える「よいストーリー」を紹介。
まず基本の「起承転結」(この言葉の使い方についてはずっと前に近況に書きましたが、ここでのそれはそのままの「起承転結」)
①「起」主人公を読者に紹介する
②「承」主人公が敵もしくは困難に出会うなど
③「転」主人公が困難に立ち向かうが、さらなる問題が起こって窮地に絶つ
④「結」勝利などのハッピーエンド
詳細は本書で確認されたほうがよいと思います。これは少年漫画の基本ですね。
「起承転結」からのバリエーション。「起承転転転転結」や「結起承転」についても触れています(この辺はYOUTUBEの初枝れんげ先生の動画でも観たことがあります)。
で、この一文が卯月には興味深い。
「『起承転結』は、頭で考えるというよりは体で覚える、普段の生活でそういう思考を自分の中に染み込ませて自然に発想できるようにする必要があります」
そうそう。こういった感覚がわかったとき、底辺でもいっぱしのモノ書きになった気がする(おおよそ錯覚、妄想ですけど)。
最後に「プラスとマイナスの法則」をご紹介。たぶんこれ、「なろうさん」系ラノベでは当たり前のように使われている考え方。でも、書き手はこれに逆らいたくなるというジレンマ。詳しくは本書でご確認をというところですが(分かりやすい図があるので)、ざっくりと。
基本は、主人公は常に「プラス」です。
ゼロの線があるとして、そこを基点に、主人公の気持ちや置かれている状況が上がっているのか、下がっているのか。
①常にプラス、プラス、プラスとグラフでいうなら常に上方に向けて矢印が登り続けていくパターン。(少年漫画、スポーツ漫画、「なろう」系?は絶対にコレ)
②マイナス地点から始まってプラス方向へ上昇していくパターン。(これも「なろう」系では多い。はじめの辛い状況をどう読者さまに持ち堪えてもらうかが必要、故に「テンプレ」だと保証されているのでそこはスムーズに切り抜けられる)。
③幸せな状態(プラス)から不幸(マイナス)に陥って、そこからプラスへの上昇軌道に乗るパターン。(これって、書いているほうは、人生ってそんなもの、壁にぶつかってそれを乗り越え再浮上。リアル現実にこだわるタイプだとやりがちですけど。荒木先生的には完全にアウト)
④矢印がジグザクに上昇していく。主人公が停滞したり悩んだりしてとどまったりする。そのうち成長はする。こういうパターン。(これもアウト。読者はウンザリする)
⑤これは例外の変則。「マイナス」と知って作者の創作意図としてそれを貫く覚悟あるもの。グラフとしてはプラスからひたすらマイナスへと下降しつづけるパターン。(これは荒木先生としてはアリ。読者は落ちていく人間に興味があるもの。ですがこれは計算されたものであって、哲学的にいえば、マイナスも一周してプラスみたいなこと)
詳しくは本書で確認するべき内容で、この部分に書かれていることの価値は価格以上のものがあると卯月は思います。
今日はここまで。
カクヨムコンの執筆が進む中でしょうけど、それらのちょっとしたヒントにでもなれば。
曲はクリスマスもの、その3
【初音ミク】スターナイトスノウ【オリジナルMV】
https://www.youtube.com/watch?v=ZuT3xYLW7vAこの週末もみなさま執筆、頑張りましょう!
では。