うにゅほとの生活

八白 嘘

2011年11月25日(金)

2011年11月25日(金)


原稿明けの疲れが抜けきれず、何度かうとうとと昼寝を繰り返した。

うにゅほの寝床はかつての俺の布団で、現在俺はソファで眠っている。

けれど昼になるとソファはうにゅほの定位置になるので、昼寝は布団ですることになる。

男くさかったかつての枕から、言葉で表現しにくい、けれど快い匂いがして、うつぶせで眠った。

起床したあと本屋へ行こうとすると、うにゅほもついて行きたいと言った。

凍りたての道路はよく滑る。

一度タイヤが横滑りして危ないところだったが、うにゅほは「おー」と楽しそうだった。

うにゅほは好奇心旺盛だ。

普段読むのは漫画だが、本屋に行くと立ち読みのできる雑誌に夢中になる。

今日は表紙につられてか、お手軽ケーキのレシピに見入っていた。

そのあいだに新刊コーナーを回るが、よつばとやリューシカはまだ入荷されていないようだった。

うにゅほのところへ戻ってくると、

「これ、つくってみたい、です」

と、遠慮がちな上目遣いで、一番単純なシフォンケーキのページを開いてみせた。

「食べたい」ではなく「作ってみたい」というところに女の子らしさを感じる。

それじゃあクリスマスケーキは一緒に作ろうか、と言うと、

「うんっ!」

と花の咲いたような笑顔を浮かべた。

デコレーションは一緒にするとして、シフォンケーキが失敗してもいいように、市販のスポンジケーキも用意しておこうと思った。

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