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ブラブラくん

期間限定、ラブコメ作家の卯月でつ。

おかげさまで『ブラックベリーシンドローム』が、初登場、ラブコメ週間206位です。すばらしい!

で、スマホでも見られるようになった日間総合は、なんと136位! 前に書いた『耳をすます僕』があのとき日間総合185位でしたので、瞬間最大風速的には上回りました。うむ。だいたいの感覚はわかりました(分かったところで特に何もないのですけど)。

ありがちな「(罰ゲーム)告白ネタからのOKもらい」はもはや古典ではありますけど、少ない文字数の中いろいろ限界まで仕込んでみました。大半がこの近況ノートネタからの発想ですから、ふだんこちらをお読みの方には別の楽しみ方もあったかと。

ですけど、千字、二千字モノってふつうに書くと、何も伝えられずに終わってしまう。ほんとうに全体の「バランス」を取るのが難しいですね。

実はブラックベリーがお題のワードとしてありましたので、以前卯月がコンビニで購入したわかさ生活のブルブルくんのブラックバージョン、「ブラブラくん」のぬいぐるみキーホルダーを登場させる予定でした。書ききったあと、どうしても2000字に収まらず泣く泣くその部分を削りました(ストーリー上どうでも良かった)。

随分文字数が減ってしまったので、今回は登場人物の名前をいじってみました。

勘解由大路沙也加って。字面として般若心経っぽい。勘解由小路(かでのこうじ)さんという長い名字の方がいらっしゃるそうで、小を大に変えてみたんです。

勘解由大路(かでのおおじ)。強そうで貴族っぽい、よくある五摂家や清華家モノでも良かったのですけどちょっとひねりました。キャラの名づけって苦労するけど楽しい作業だと思いますがみなさんはどうやってるのでしょうかね。

内容のところで、この謎のお題「ブラックベリーシンドローム」をどう料理するかが一番の悩みどころ。ブラックベリーについては作品中にも調べまくった成果が現れているとおもいますが、これを「シンドローム」化しないといけない。

シンドローム……症候群、シンドロームとは、同時に起きる一連の症候のこと。 原因不明ながら共通の病態(自他覚症状・検査所見・画像所見など)を示す患者が多い場合に、そのような症状の集まりに名をつけ扱いやすくしたものである。

よく耳にする言葉なのですが、この説明のようなガチ医療のイメージでとらえている人ってどれくらいいるものなのか。あれです、もっと軽めのほう「青い鳥症候群」とか「サザエさん症候群」とか。そんなイメージです。作品内で具体的に書くのもアレなので最後にでてくる「ブラックベリーシンドローム」の内容を誘導する方向でというか、すべてはそのために文字を費やした感じですかね。

脱線しますが「不思議の国のアリス症候群」という園児から小学生の児童に多くみられる病気(病気なのか?)があります。どのサイトの表現をみてもうまく言葉にできていないようで……。どうして卯月がそう言えるのかといえば、おそらくこれなのでしょう、何度もなってました(もしかしたら違うモノの可能性も)。「ものが大きく見えたり、小さく見えたりする」この子どもたちがいう共通する言葉が的確に表しているのですけど、なったことのないひとのイメージするそれと実際はずいぶん違います。確実に目の前にあるそれは「小さい」し、かつ「大きい」のです(同時にだいたい気分が悪くなる)。子どもの言葉でまわりの大人に説明しようとするのはまず不可能ですし、大人でも稀になるようなのですが、卯月の記憶では、いまでも言語化は困難ですね。(「小さい」し、かつ「大きい」ので)

この時から、言葉なんてものは頭の中のことを相手に伝える道具としてはポンコツだという意識があったのかもしれません。

『ブラックベリーシンドローム』に戻りますけど、やはりポイントは『ファルス』ですね。知らなくてもなんとなくイメージできるかもですけど。『夏に置いてきた写真』と似た状況なので、そちらを読まれた方は気づいたかも知れません。再び「哲学的なナニカ」を放り込んでいます。ラカンやらフロイトやらそっち方面(心理学、心理分析のほうが正しいのかも)ですね。

凡庸な主人公とのギャップを見た目だけでなく思考レベルにまで適用してます。

二作に投入しましたので、興味のある方もいらっしゃるかも。

ネット上でいちばん分かりやすいと思われるラカンものをご紹介。

『生き延びるためのラカン』斎藤 環さんという方の本が初歩の初歩の初歩としてはおすすめ。ですが、その先は必ず挫折する道ですからそこを進むのはお勧めはしません。

用語や思想を齧った程度で、よく登場する厨二が喜びそうなワードにも対応できそうなこの方のサイトを(第二話、第三話とリンクが貼られているわけではないので困るのですけど)。

『生き延びるためのラカン 斎藤 環 第1回 なぜ「ラカン」なのか?』
https://www.cokes.jp/pf/shobun/h-old/rakan/01.html

長々と書きましたけど、この斎藤氏の記事を紹介したかったのが本日の近況ノートの目的でした。先へと進むと第11回にフェティシズムの話もでてきます。

興味あるかたはぜひ。

今日はこんな感じで。

では。

2件のコメント

  • 私は子供の頃、自分の体が大きくなったような錯覚をたまに起こしてました。
    それもふしぎの国のアリス症候群なのでしょうか。
    「小さい」かつ「大きい」、何か村上春樹が使いそうだなと思いました。
    メタファーとか言ってw

    ところで、なぜブラブラくんの写真がないのですか(おこ)
  • 祐里さま

    えっと、ブラブラくんはヒロインがあのブルブルくんをマジックかなんかで黒塗りしたという設定でして、さすがにそれは無理っす。写真は、ごめんなさい。

    例の感覚については実際の目に前に見えている状況でして。「近い」かつ「遠い」とも言える。これについて誰に話しても理解されなくて、昔、調べまくったんです。一番近いと思われるのが「不思議の国のアリス症候群」でして。というかこれしか見つからなかった。昔よりはネットでも記事が増えてはいますけども、それだという確信もありません。そもそも脳の引き起こす現象だと考えられますから、他の方が同じものを同じ感覚で感じていると確認するすべもなく(クオリア的な話し?)。まあ、お医者さまであっても、その子どもの言っている状況を汲み取れる人はいないでしょうね。大人は「大きい」を大きいと理解し、「小さい」を小さいと理解しますから。それ故こんなファンタジーな名前になっているのだと思われ……。メタファーもイッちゃってるモノ書きは実際にそう見えているという可能性も大いにあって、まわりが勝手に文学的だとか勘違いしている可能性もあるかもしれません。
    卯月の言語力ではどう書いても、やはり質感が違いますのでそれはニセモノ。ほんとに言葉ってやつは不自由だぜ!
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