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成井の短編十連作! 五月末〜七月末に短編10編書きましたっ!

どうも、久しぶりの近況ノートの成井です。
お盆休みですね。ずっとノートを書いていなかったので、ちょっとこの二ヶ月間の活動について報告しますね。

短編を十編書きました。

処女作の長編「瀬をはやみ」を書いてから、スマニューコン最終選考に残った「私の教授がエロラノベ作家〜」を書くまでの間に、三編の短編「イチゴとユウキくん」「異世界に転移されすぎた街〜」「あいうえお」を書いていました。(これらはエブリスタに置いております)

「私の教授がエロラノベ作家なので卒業しちゃってイイですか?」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885413330

を五月下旬に完結させた後、かなりやりきった感はあったものの、表現やテーマ、様々なものについて、まだまだ経験不足感に満ち溢れていました。

長編は書いていると、やっぱり、一つの空気感、一つの文体、一つのテーマに拘束されるわけで、いろいろ試せない訳です。なので、「短編は全て習作」をモットーにしつつ、二ヶ月間の短編ラッシュを走り出したわけです。
また、同時に、いろんな短編コンテストに挑戦してみて、『腕試し』をしたいという思いもありました。(まぁ、そう簡単には引っかからないと思いますし、結果が出始めた今、ヒシヒシと感じていますが)

そういうわけで、この近況ノートでは、十連作の紹介をしたいと思います。できたら、モチベーションや裏話なども込みで〜。



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☆1 俺は縄文式土器だけど未来しか見えないhttps://kakuyomu.jp/works/1177354054886096137
コンテスト:電撃文庫MAGAZINE 読者投稿企画「びっくりするような擬人化作品」->落選

――何故かパリから帰国する飛行機の中で書いていた作品。
「擬人化コン」が始まるという話を聞き、擬人化ネタを考えた所「縄文式土器しかない!」という思考回路にハマった謎な成井の脳みそ。
で、本作については、二つばかり失敗が……

失敗その1。フライングしちゃいました。
「擬人化コン」の問題だったと思うのですが、仕様が出て来るのが後で、擬人化コンの発表があってから書いた作品でも、その後の募集タイミング以前の公開のものは応募出来ないということでした……。
これは完全に「擬人化コン」用に書いたものだったので、今更引けず……。
いろいろツイッター上でお声を貰ったりして、仕方なく、一度、削除し、再投稿し、応募することにしました。なので、その時までに頂いたレビューや☆などは消えてしまっています……。(折角、下さったのに、消してしまった皆様、申し訳ございませんでした)
結局、コンテストは駄目だったんですけどねー。
現在も、この作品だけ☆の数が少ないのはそんな理由です……。


失敗その2。擬人化がチョット意味が違う。
「擬人化コン」のターゲットとした擬人化は、艦コレみたいな「人間になる」タイプの擬人化なわけでございまして、よくよく考えると(よくよく考えないでも)こういう本来しゃべらない物が喋る的な擬人化は「擬人化」のターゲットでは無かったということのようい思います。

ちなみに、本作では、「エロラノベ作家」を書いている間に蓄積していた、何かを爆発させるのが大きなポイントだった気がします。
大きくわけて二つでしょうか?

ポイントその1。地の文の表現を徐々に解放していく。
「エロラノベ作家」の一番初めのコンセプトは『会話劇』でした。テンポよく続く掛け合いと、人間関係。……まぁ、その割には、それなりに地の文はあるのですが。とはいえ、執拗な描写などはしなかったつもりです。
「土器」はその点、冒頭の一段落など、結構、書き込んでいます。

ポイントその2.つっこみガン無視シュールな笑い全開。
これは、もう、分からない人には、何が面白いのか分からない、成井の自己満足領域かもしれませんが、「明らかに何かおかしいのに、それが普通であるかのようにスルーされ続けていく」というやつですね。
基本的に、この作品はそれです。
で、そのくせして、何かメッセージがあるような感じで終わるという。
これは、エブリスタに置いている「異世界転移され過ぎた街〜」とも多少通じるところがありますが、「土器」の方が随分と笑い寄りですね。

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☆2 メビウスを超えて彼女とティータイムを https://kakuyomu.jp/works/1177354054886098841
コンテスト:電撃文庫MAGAZINE 読者投稿企画「びっくりするような擬人化作品」->落選

こちらを書いた切っ掛けは「土器短編がレギュレーション違反で、擬人化コンに出せないかもしれないっ!」となって「ど〜ん」と落ち込んでしまった時に、誰かから「土器で二作目!」を囁かれました。(自分で言っていただけかもしれない)

そこで考えだしたストーリーだったんですが、書き終わった後、
「……これ、擬人化じゃねぇなぁ」
ってなりました。前作の土器短編と同じように、喋る土器が出てくるのですが、これは、擬人化というよりファンタジーなんですよね。これ以上はネタバレになるので、言いませんが……。(是非、読んでほしいです!)
公開時はタイトルにも「土器」って言葉が入っているんですが、やっぱり、テーマや主眼が最早そこには無かったので「メビウス」を中心に据えたタイトルに改題しました。

これもジャンルには困りました。最終的には異世界ファンタジーにしましたが、個人的にはSFだと思っています。

ある意味で、本作で凝ったのは物語の構造ですね。
タイムリープものは難しくて自分にはなかなか書けないと思うのですが、昨今「なろう」で多い道具立てを使って(ちょっとここでオマージュ的な表現が無駄に入ってきます)、タイムリープ的なものを拵えたところが、オリジナリティでしょうか?(すでにどこかでやっている気がしますが)

そういう意味で、「異世界に転移されすぎた街〜」以来の『異世界転移・転生モノ』のオマージュ作品でもあります。

最終的には切ないラブストーリーに仕上げたつもりです。
ちょっと、変わり者でPVが少ない、というか、離脱ポイントが多いので、読了してもらいにくい作品になってしまっているのですが、是非、読んでもらいたい作品です。

ちなみに、本作で使ったトリックは「ひとりじゃない」で再度使っています。

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☆3 僕は君の神様になる(『恋愛』ジャンル週間ランキング最高4位)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886167232
コンテスト:三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第77回「神様」(エブリスタ)-> 落選

ここから『妄想コン』への参加をはじめました。
二つの擬人化作品は、明らかにトリッキーな作品でした。ここで、出来るだけ普通の恋愛を書きたいなと思いました。
一方で、妄想コンのテーマは「神様」。
こう出されると、「神様が出てくる話」は書きたく無くなるのが成井の天邪鬼なところです。
だって、最近、なんか、神様が出てきて、ワキャワキャやる話なんて、掃いて捨てるほどあるじゃないですかぁぁぁぁ〜!

なので、「主人公の相手として神様を出したら駄目なんだったら、主人公が神様になるしかない」と思ったわけですね。しかし、出来たら恋愛もの書きたかったので、主人公が神様で、神様同士の恋愛とかもアレだし、主人公が神様で、人間の女の子相手の恋愛っていうのも、なんだか、主人公の立場が上で気持ち悪いし……。
ということで、考えてたら「主人公が神様になりたがる話」「主人公が自分が神だと言いだすイタい子の話」というのが出てきて、「おおこれだ」と……。
で、フレーズとして、冒頭の一連の台詞と地の文


「僕は君の『神様』になるよ」
「え? 何それ? 嫌よ」
 君は露骨に眉を顰ひそめる。

が、出てきたわけです。あとは、これを軸にして、踊りだすお話をまとめました。
本当はプロットはもっと長かったのですが、『妄想コン』の規定8000字に納めるために、ラストは駆け足になっちゃいました。

プロットよりも、随分と長くなってしまうのを、ちゃんと計算出来るようにならないといけない、というのは、「瀬をはやみ」「私の教授がエロラノベ作家〜」で、ほとほと感じたことでしたので、それも一つの課題としての、短編チャレンジだったので、頑張って8000字に合わせました。

ちなみに、本作は、自分でも、ちょっとラスト「うるっ」と来たのですが、想像以上に、カクヨムの読者の皆様に暖かく迎え入れていただきまして、これまでの短編で一番好感触な評価をいただきました。

結果、この作品で初めて、カクヨムのトップページのジャンルランキングに掲載されるという幸せを経験させていただくことができました!(しかも、実は、自分の40歳の誕生日に!)

ここまでの3作品で、少し短編に対する理解を深められたと思います。

エブリスタの妄想コン自体は残念でした〜!

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☆4 CRIMSON
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886276854
コンテスト:三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第78回「雨の日」(エブリスタ) -> 審査中

『されど文芸・文学は遥か彼方なり』

自分がライトノベルを書いているのか、ライト文芸を書いているのか、文芸を書いているのか、まるで分からない。そんな中、所謂、文芸作品と自分の書いているものの質的な差は、何となく感じる。その差は、超えられないものなのだろうか?

自分を「ライトな小説のWEB作家」と縛り付けてしまうのは簡単です。ただし、そこに縛られ続けなければならない理由は何処にもありません。

これまで「瀬をはやみ」にしろ「エロラノベ作家」にしろ、ストーリー展開のため、エンターテインメントのために、意識して「会話劇」にしている節がありました。
それはそれで良かったと思います。
その一方で、僕自身、中高時代の成井露丸だった二十年前から「風景や情景の描写が苦手」という強いコンプレックス/苦手意識を持っていました。

ところが、「瀬をはやみ」や「エロラノベ作家」を読んでいただいた方から貰ったコメントは全くの逆。「情景描写がわかりやすい」というものでありました。
その一方で、文芸に対するコンプレックスはずっとここにある。

ならば、一度、そのレバーを真逆に引いてみよう。「会話文」を多くしなければならないという意識を捨てて、逆方向に行き切ろう。「地の文」を徹底的に増やして、執拗で粘着質で、エロティシズムすらあるようなベッタリとした描写で物語を構成しよう。

そうやって、エブリスタ妄想コンの「雨の日」のネタで書いたのが、CRIMSONです。
ここで、タイトルとしては完全に「なろう」的なタイトル文化からは別れを告げて、初の英語タイトルを使いました。公開時は「どうかなー?」と思ったのですが、今では気に入っています。

「雨の日」ということで、とにかく冒頭で、これまでにないくらいの豪雨をドッバドッバに降らせて、主人公とヒロインをビッチョビッチョのグッチョグッチョに濡らしています。
その他、作者はドキドキしながらも、思い切って文芸っぽい?表現にいろいろとチャレンジしました。

読者の反応が怖かったのですが、正直なところ、拍子抜けなほど、すんなりと、受け入れてもらったという印象でした。
「あ、このくらいの表現ってカジュアルに使っていいんだ〜!」
というのが本当に学びでして、津蔵坂あけびさんからも、ポジティブな応援の言葉を頂きた気がします。

また、
雷藤和太郎 @lay_do69 さんの自主企画に参加させていただきまして

【第八回】小さく完璧な小説を書こう 報告会
https://kakuyomu.jp/users/lay_do69/news/1177354054886424389

21作品の中から紹介作品に選んでいただきました。
ありがとうございました!


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☆5 リザレクション(『現代ドラマ』ジャンル週間ランキング最高2位)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886403102
コンテスト:三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第79回「私が死んだ理由」(エブリスタ) -> 審査中

CRIMSONで解放された、地の文で遠慮をせず、また、多少のエロティックな表現も遠慮なく入れていく。そういう中で、新しい『妄想コン』に向き合ったのが「リザレクション」。これと、次作の「アクリル」は、ほぼ間髪入れずに、二日連続で出した作品なので、姉妹のような印象があります。
リザレクションは本文ありのレビューも多く頂き、いろいろと評価を頂いた幸せな作品だとおもいます。これに対して、アクリルの方は、PVも☆も現状、リザレクションより多いのですが、それでも、本文のあるレビューは一件もなく、静かな評価を頂いている作品と言えるかもしれません。

妄想コンのテーマは『私が死んだ理由』。この時点で、ホラー決定じゃないですか?
しかも、転生とか?あの世とか?犯罪とか? そういうの、あまり書く気が起きませんでした。どちらかと言えば、リアリティのあるお話を書きたかった。
 「死」という物の持つ絶対的なネガティブさを前にして、その「理由」。そこに他者がからむならば、そこには悪意があってしまう。
 ちなみに、これは僕の抱える問題であり、個性でもあるかもしれないのですが、僕は悪意が書けないんですね。未だ。書きたい欲求もあまりない。
 だから、生物学的には殺さずに、主人公を殺す。そして、それは、他者による悪意ではなく、自分自身による何気ない判断、心の弱さによるもの。
 そういうわけで、リザレクションのお話は生まれました。

―――――
三年前に双子の妹が死んだ。急な病気だった。(中略)
そして、後を追うように私も死んだ。
妹の突然の死から一年も経たない頃だった、それは、自分で選んだ死だった。
後悔はしていない。後悔しても仕方ないのだ。
もう、私は死んでしまったのだから。

その屍を越えて、私は、あなたと今、接吻キスをしている。
―――――

の流れが生まれたわけですね。

もう一つ、僕が「書けない」と思っていたジャンルがあります。それは、ミステリーです。
ただし、僕はちょっとした叙述トリックはよく使います。「瀬をはやみ」でも「エロラノベ作家」でも、微妙な叙述トリックがところどころに使われて、物語を引っ張っていっています。

本作は、今までの作品の中でも、ミステリー度合いが強い作品になっていますが、僕自身にはミステリーを書いているつもりはありませんでした。
人間関係や人生の心の葛藤を描く「現代ドラマ」か、主人公の恋心に焦点を当てた「恋愛」かの二択でジャンルを悩みましたが、結局「現代ドラマ」としてリリースしました。

結果的に、現代ドラマの週間ランキングで2位という、これまでの最高成績をおさめさせていただきました。ありがとうございました。

また、CRIMSONに続いて、

雷藤和太郎 @lay_do69 さんの自主企画に参加させていただきましたところ

【第九回】小さく完璧な小説を書こう 報告会
https://kakuyomu.jp/users/lay_do69/news/1177354054886573413

12作品の中から紹介作品に選んでいただきました。
ありがとうございました!
そこでも、言及頂いていますし、他の方もおっしゃってくださったことですが、リザレクションのポイントは「二週目」にこそあります。

トリックと真実がラストに分かって、初めて、序盤からの主人公の心の内を追うことができます。トリックが無くなった後でこそ、主人公の気持ちに寄り添うことができる。
そんな作品になっていればイイなと思います。

――――――――――

☆6 アクリルの上で火花が散る(『恋愛』ジャンル週間ランキング最高4位)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886372783
コンテスト:エブリスタ×角川ビーンズ文庫「恋」短編コンテスト第4回「言えなかった気持ち」(エブリスタ) -> 審査中

……だったら、「トリックなんて要らないんじゃないだろうか?」
もしかしたら、人の心の動きを書ききる上で、トリックとか、ラストの結末とか、そういうものは不要なのかもしれない。場面転換も不要かもしれない。純粋に、執拗なまでに一点に集中させた表現で、ワンシーンだけで、短編を書こう。

 その一点とは、アクリルの手摺の上に置いた自分の左手中指の指先と、彼女の指輪がはまった右手薬指との間の、ほんのちょっとの距離。空隙。

 これが、「アクリルの上で火花が散る」のモチベーションでした。

 ある意味で、今回の短編シリーズでの、「文芸方向の模索」の一つの答えにアクリルで到達できたんじゃないかな? と思います。
 僕の中では、今回の短編十連作の中で、一番の代表作は何か?と問われたらアクリルだと答えるでしょう。

 一応、角川ビーンズ文庫のコンテストに出していますが、コンテストが求めているであろう、作風と余りに距離があるので、あまり、結果には期待していません。

 でも、「言えなかった気持ち」というお題にはきっちり答えているつもりですので、何一つ口にしなかった、主人公の気持ちがそれでも共有されて、そして、それが語られていない危うい未来へつながっていく様子を想像してもらえたらうれしいです。


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☆7 ひとりじゃない(『ホラー』ジャンル週間ランキング最高2位)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886465899
コンテスト:エブリスタ×竹書房 竹書房presents稲川淳二の怪談冬フェス~幽宴~  最恐怪談コンテスト(エブリスタ) -> 審査中

 さて、「怪談コン」なんて、成井には絶対ムリだし、無縁だと思っていました。
そもそも、成井はホラー映画とか怖くて見れませんし、怪談なんて無理です。そんな人間が、書く側に回れるわけないでしょうっ!?
 
 しかし、短編でいろいろ書きたいざかり。自分の幅も広げたい。
 そこでいろいろ考えていて、思い出したのが、「果たして、血が出るものだけがホラーだろうか?」「幽霊やおばけ、怪異がでるものだけが怪談だろうか?」
 その他にも「ゾッとする怖さ」や「愕然とするショック」があったらホラーじゃないだろうか?(まぁ、「世にも奇妙な物語」系と言われますが)

 そういう考えでトライしたのが本作品です。

 こちらもいろいろとリアクションを戴けた幸せな作品だと思います。

 ちなみに、ラストのオチのみがホラーなのですが、ぎりホラー、という感じで、怪談までは流石に行かなかったですねー。

 ただし、どうもオチ以外はひたすら「純愛」なので、そちらで、好いてもらっているのではないかというわけで、ホラージャンル2位まで頂いた本作ですが、最終的には

「うん、やっぱり、成井にホラーは無理。もう書かない」
 と思わしめた作品であったのでした。

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☆8 カップラーメンを作る(『その他』ジャンル週間ランキング最高1位)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886483301
コンテスト:LisPon×カクヨム “最後の5分間” 小説×朗読コラボレーション・コンテスト -> 審査中

 そして、カクヨムの「最後の5分間」です。1200文字が最大という、これまでで挑戦した中で最も短い制限文字数です。

 「最後の5分間」と聞いた時に、「絶対やらない!」と思ったネタが幾つかあります

(1) 誰かが死ぬ前の最後の5分間
 これは出てきまくることが簡単に予想できたしベタだと思った。
 あと、1200字という短い話で、「死」のネタを安易に消費するのが個人的に乗り気になれなかった。「死」は強いカード。だからこそ、安易に切りたくはない。

(2) 何かを成し遂げる前の最後の5分間
 そもそも、この種の感動は、長編で積み重ねた時間があって、そこのカタルシスで、生まれるもの。ラストシーンだけのラストシーンは最高にはなれない。

 そんなこんなで、これまで、「僕は神様〜」から「ひとりじゃない」まで、真面目な恋愛路線が続いていたので、ここで、踏ん切って、コミカル路線に舞い戻ろうとしたのが本作品。

 そもそも、「最後の5分間」というので、僕が思いついたのが2ネタ「カップラーメン」と「アキレスと亀」だったわけです。

 インスタントラーメンは3分間、だから、5分間には届かない。だから、5分間モノのネタとしては大変微妙なはず。だからこそ面白い。
 そんなこんなで、3分間でラーメンを作るだけ、というところを、これまでに培った技巧でどこまで、押し込めるか? というチャレンジも含めて書ききったのが本作です。

 「成井!ふざけんな!」
 的なネタでしたので、正直、ここまでのご評価がいただけるとは思っておりませんで……、いささか当惑しております。

 でも、楽しく書けた作品だと思います。

 ちなみに、どうやら、読者の中には「オチ」に気付いておられない方が、少なからずおられる模様で、ちょっと、そのあたり、どうしたものかなぁ……、と思ったりはしております。はい。

――――――――――

☆9 アキレスと俺
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886483676
コンテスト:LisPon×カクヨム “最後の5分間” 小説×朗読コラボレーション・コンテスト -> 審査中

 上記につづいてです。
 丁度、巷では「なろう」での「キンキンキンキン」という擬音表現を問題とするような話が盛り上がっていました。
 一方で、文芸表現に向かっていた僕も、「ラノベ的表現」のスキルもやはりキチンと持つべきという気持ちがありました。僕はやっぱり、純文学のような人ではなくて、どちらかというと、やっぱり広い意味でエンターテイメントなのだから。
 
 作風にはそれでして、ネタとしては「アキレスと亀」です。5分間という時間相手なら、時間のパラドックスを打ち込んでやろう、という話。

 哲学的なネタを、一番バカっぽいライトな文体で、しかも、異世界転生モノのフォーマットでぶち込むという、贅沢な遊びをさせていただきました。

 1200文字制限は本当にタイトで、結果的に、本当に無駄を省ききった切れ味のある作品になっていると思います。是非、笑うためだけに読んでいただければ……。

――――――――――

☆10 夢であるように(『その他』ジャンル週間ランキング最高2位)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886518373
コンテスト:三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第80回「気になるあの人」(エブリスタ) -> 審査中

 ジャンル2位まで登らせてもらったものの☆評価や応援コメント的には、いろいろと微妙な面も多い作品。
 病床で書いていたせいもあるかもしれませんが。

 妄想コンのテーマ「気になるあの人」を軸に考えた作品。
 ファンタジー世界から異世界転移してきた女性と出会う、ちょっとメルヘンな話を書こうと思いました。
 ただ、それを、可能な限り、リアルな状況に落とし込みたい。夢か現か分からないような、作品を書きたいなぁ、と思いました。
 その意味で、完全にモデルがある現実の場所、主人公はほぼ自分、という縛りの上に(身バレ覚悟)、ファンタジーからの転移者を下ろしてくるという話です。

 いろいろ難しかったです。

(文字数オーバーでコメント欄に続く)

2件のコメント


  •  「本当の話なんじゃないかとおもった。……でも、違いますよね?」
     「よくわからなかった」
     「素敵な話だった」

     リアクションは様々でしたが、実験的な作品が、実験的なものとして受け止められた、素直な結果かなと思っております。

     さて、もう一点、ちょっと挑戦した点を。

     実は「ひとりじゃない」というホラー作品は、タイトルがDEENの曲と一緒でした。これは、ほぼ偶然なのですが、仕上げの時には、この曲を聞きながら仕上げていました。
     これに対して、本作ははじめからDEENの「夢であるように」を聞きながら、その音楽をイメージの元にしながら書いてみました。それが吉と出たのか、凶と出たのかは知りませんが、やっぱり、いつもの執筆とは、また、違った感じになり、よい経験になったと思います。



    ――――――――――

    さて、予定より、非常に長い近況ノートになってしまいましたが、そんなこんなで、
    短編十連作を書き上げ、多くの学びをいただきました。
    上記で書いたように、一つ一つ異なる挑戦があり、一つ一つ異なる物語になったと思います。まぁ、そんなこんなで、短編は随分と書いたので、もうイイかなぁ、と思います。


    やっぱり、勝負は、長編にあり。

    8月末締切のサイバーセキュリティ小説コンテストに参加中で、今、絶賛作品の続きを執筆、&大改稿中です。お盆休み中には、投稿を再開できたらなぁ、と思います。


    今回は、短編ラッシュのまとめ的な報告でした!
    では、またの機会に〜!
  • 追伸

    めっちゃ長かったですが、読んでほしいというよりかは、自分自身の記録としての近況ノートでした。
    一つ一つのモチベーションとかも、忘れてしまいますしねぇ〜。
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