俺には、仲の良いクラスメイトの女子が居る。
出会いとしてはよくある……こともないのだが、ナンパされていた彼女を無理やりにでも手を引いて逃げたことがきっかけだ。
俺は喧嘩が強いわけではないので、出来ることは隙を突いて彼女の手を引くことだけだったからな。
「ねえ、明日から休みだよ?」
「そうだな。明日から土曜日だな」
金曜日の放課後になってすぐ、彼女はこんな言葉を俺にしてきた。
「ねえ、明日から休みなんだよ?」
「……そうだね。明日から土曜日だね」
喋れば喋るほど、距離を詰めてくる彼女の名前は時岡明奈。
染め上げた長い茶髪に着崩した制服など、見るからに彼女はギャルの部類だ。しかも顔は整っていて尚且つ胸もデカい、尻もデカいしでクラスだけでなく学校中の熱視線を彼女は集めることも少なくない。
「ねえ、明日から休みなんだってば」
「……そうだね」
さっきからこの子は何が言いたいのか、俺には分からない。
ナンパから助けた翌日から話をすることが増え、今となっては異性の中だと一番良く話す相手だし、己惚れるわけじゃないが明奈からしても一番会話をしている男子って俺なんじゃないか?
「ところでさ」
「うん」
「私って、おっぱい大きいんだよね」
「う、うん……」
いきなり何を言ってるんだと、大声を出さなかった俺って立派だよ。
というかそんなことを言わなくてもデカいなんて分かってるし、着崩した胸元から見える谷間でも良く分かるって。
「アンタの友達が喋ってるの聞いたんだけど、アンタって巨乳好きなんでしょ?」
「……………」
「別に顔を赤くして恥ずかしがる必要ないでしょ。あくまで好みじゃん」
「……だね」
「うん。ところで私、おっぱい大きいんだよね」
「……分かってるから!」
「肩凝るし、下着も高いしで大変でさぁ……ところで私、おっぱい大きいんだよね」
「君はおっぱい大きいんだよボットか何かなの?」
「いやいや、私ってマジでおっぱい大きいんだよ」
さっきから全然噛み合わない会話だけど、話してる内容は中々に恥ずかしい。
しかも段々と彼女は距離を詰めるだけでなく、これでもかと胸元を強調するものだからそこに視線が吸い寄せられてしまう。
「んでさ、明日から休みじゃん?」
「うん」
「うちの両親、今日から旅行で家に居なくてさ」
「うん」
「だから泊まりに来ない?」
「……えっと、それはどうなの?」
「仲の良い友人なんだし、別に良いじゃんって思うんだけど」
いやいや良くないでしょうよ……。
「アンタの好きな大きなおっぱい見れるかもよ?」
「っ!?」
「何なら触らせてあげたりしても良いけど」
「っ!?!?」
「吸ったり揉んだりもして良いんだけど」
「っ!?!?!?!?」
流石にこれ以上喋らせてはならないと、強引に会話を変えようとするも顔を赤くした彼女はこう言った。
「……ねえ、うちに来てよ」
「……………」
寂しそうに手を掴んできた彼女の提案に、断れるわけもなく。
今日この日、俺は彼女の家に泊まることを決めるのだった。
こういうヒロインも良いですよねって話です。
積極的なおっぱいデカいヒロインってやっぱり最高なんですよ。