佐藤ムニエル

美大進学を望みつつ、周囲になかなか言えずにいる高校生の雫。 ある晩、自宅の納屋に灯りが点いているのを見つけ近づいていくと、 そこには父の姿が。 父は美少女キャラのアバターを纏い…

オンライン化された頭脳〈人工脳〉が当たり前となった近未来。四十二歳の漫画家・夢野恋太郎はある日、自分が温めていたアイデアとそっくりの漫画を見つける。あまりに酷似していたため気にな…

　個人の嗜好がシステムに読み取られる近未来。独身生活を送る〈俺〉は、軽い気持ちで恋人マッチングサービスに利用者登録する。それは自分を反映したアバターを作成しさえすれば、後はＡＩが…

長女・秋絵は今日から高校生。だが、彼女はこの先起こることを見てきたように知っている。道中で友人と会うことも、その友人が同じクラスの男子に想いを寄せていることも、その男子が自分に告…

知能を強化されたクジラの群に包囲された南の孤島。島にある研究所からの要請を受け、電子戦による事態解決のため潜量士のナギが派遣される。 島に到着して間もなく、ナギは不思議な歌をうた…

誰もが脳に共通の価値観を実装し、規律正しく生きる世の中。 ごく普通の小学生である〈僕〉の前に、不思議な転校生・イヌイさんが現れる。

空の彼方から〈かれら〉が現れ、荒野と化した世界。クーリーとして働く青年ハチは、点在するシェルターに物資を運ぶ毎日を送っていた。 ある日、彼は〈かれら〉の元へシェルターの住人を運ぶ…

〈ボット〉と呼ばれる機械たちの反乱により地上から人の姿が消えた未来。ほとんどの人類は意識をデータ化し、サーバ内で人生を送っている。 物理世界に残るのは〈カウボーイ〉と呼ばれる一部…

イルカを戦力として使う部隊に、反乱の疑いが掛けられた。情報部員のナギは調査のため、部隊の母艦となる基地船へと赴く。部隊の指揮官であり、反乱の首謀者と目されているのは、彼女と学生時…

　元々は蜥蜴であった〈余〉はひょんなことから怪獣になった。 　故郷の島で仲間たちとの日々を過ごしていた彼はある日、必要に迫られ、泳げないのに大時化の海へ飛び込んでしまう。溺れ、流…

噺家としてパッとしない日々を送っている蝶腹亭半角。弟弟子にも追い抜かれ、焦りを募らせていたある日、彼の元へ謎のメールが届く。開いてみると、亡くなったばかりの師匠・全角の声が聞こえ…

空の彼方から〈かれら〉が現れ、荒野と化した世界。クーリーとして働く青年ハチは、点在するシェルターに物資を運ぶ毎日を送っていた。 ある日、彼は〈かれら〉へ向けた配送依頼を受注する。…

　一年前に妻を失った木根塚老人の元に、一体のアンドロイドがやって来る。「ユイ」と名乗るそのアンドロイドは、妻の若い頃にそっくりだった。息子たちから老人への贈り物だという。 　大の…

　今から少しだけ先の未来。交通事故に遭った高校生の向田行人は、一年間の昏睡から目を覚ます。 　リハビリの末、退院した行人。彼はある晩、母が誰かと話す姿を目にする。 　母の向かいに…

戦争の最前線に位置する北端の地。 軍人のマトは、海の向こうの敵国から飛来するドローンを撃ち落とす〈鴎撃ち〉として日々の任務に就いていた。ある違和感を抱えながら……

　極彩色のネオンが輝く歓楽街。その裏手にあるアパートの一室で、パソコンに向かってキーボードを打っている青年。彼は違法人工夢のプログラムで生計を立てていた。

　治療が不可能となった末期患者が入所する療養所。アラサーの〈私〉も入所者の一人である。彼女は、悪友ともいうべき同じ入所者のカガミさんと隠れて飲酒を繰り返していた。 　そんな中、〈…

祖父の日記を見つけた〈私〉。 サンタクロースを追い続けた人生が今、紐解かれる。

悪い魔女から世界を守るために戦う魔法の戦士〈アトモスフィア〉。 だけど彼女たちは限界だった。

　地上が有毒な霧に覆われた世界。人々は塔の高層部に逃れ、そこで規則的な生活を送っている。世界には自分たち以外に誰もいない――。それが、塔の住人たちの共通認識である。 　そんな塔の…

十五歳の少女・アニーは荒野を走る馬車に揺られていた。彼女が目指すのは〈フロンティア〉。法の秩序が及ばない、ならず者たちの世界である。 彼女は父を殺した男に復讐するため、その行方を…

　人類が生殖能力を失った世界。人々は特殊な〈種〉を宿した存在に出産に纏わる全てを委ねていた。森に囲われた学園に暮らす〈チャーリィ〉は、そんな存在の一人である。かれは学園を脱走しよ…

　荒涼たる岩山に棲む翼竜のギギは、頭領の息子でありながら臆病な心の持ち主だった。そんな彼はある時、遭遇した人間との戦いによって鼻頭から生えた角を折られてしまう。 　角は麓の草原を…

派遣社員の桃子は契約更新なしを言い渡された帰り道、巨大な桃を拾う。家に帰って切り分けると、中には赤ん坊が入っていた。

　少年の名は佐久一穂。女の名は森川綾瀬。一方は徒歩で、一方は愛車で札幌の街を出発した二人は、やがて深夜のコンビニで出会いを果たす。

　世界が統一に向けて動いている2030年。シングルマザーの〈わたし〉は、遠隔操作式二足歩行兵器「アイ・ウェア」の操縦士で生計を立てていた。 　昼は荒涼とした戦場に身を置く彼女だが…