何が一年と一ヶ月かというと、キアリィの初登場となる53話、「ウォルフ・ハーケイン:回想④/きみたちが訪うあの日」の公開から一年と一ヶ月です(挨拶
53話を書き始めた時点から、即ちそれ以前の構想の段階から物語の落着がきちんと決まっていて、紆余曲折を経ていろいろなものを変更したり置き換えたりしながらも、当初の想定からほぼ外れないところへ落着した子でした。
長かったなぁ…いえ、実際どうなんでしょう。長かったのかどうだったのか、一年と一ヶ月。
振り返ると、総じて「何を言ってるんだこいつ」となりそうなところの多い子だった気がします。
「さりとて、この、ボク!――は、この焼菓子にひとつ、決定的に足りないものがあると言わざるを得ない。それはたとえるならば恋のようなもの、語らう男女のようなもの、頬に触れる恋人のてのひらが如きもの、あるいは褥の睦言が如きもの……そう、甘さだ。この菓子にはお砂糖が足りない」
――とか。
初登場の53話のときのほうがもっとひどいのあった気がしますけど、ひとまずそこはそれ。どこかからの引用ということは基本的になかったはずで、毎回頭を抱えながらこの手の長々とした台詞を考えてました。
以前、近況ノートのどこかで「メルリィとナナリィはコインの表裏」みたいな言及をした覚えがあるのですが、キアリィとナナリィもやっぱりコインの表裏で、背中合わせの二人だったという気がしています。
他方、メルリィとキアリィはだいたい同じ方向を向いてると思います。
似ているところはあんまりない気がしますけど。
彼女に関しては、正味、此処に至るまでの過程をもっとていねいに書いてあげるべきだったのでは? と思うところはないでもありませんし、そのせいでどうにも唐突感が出てしまったようにも思えてなりませんが。
ただ、ここに至るまでの「過程」は、また別の角度から言及する形になるはずです。
この先の話で。そこまできちんと書ければですけどね!
ともあれ。
長かったナナリィの物語も、そろそろ幕を下ろすところが見えてきました。
ようやくです。ほんと長かった。まさかこんな長くなるとは書きはじめの段階では思いもよらないことでした。
というか、もっと短くできたんじゃないかとか、長すぎて話の顛末がよくわからんとか、そういう御叱りを喰らいそうなくらいのやつでしたが。
あと一息。
がんばります。