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完結しました『冥源譚 ー陸丹の嬢子、小花が冥界にくだり里人を扶けること―』

『冥源譚 ー陸丹の嬢子、小花が冥界にくだり里人を扶けること―』
完結しました。
この作品「賢いヒロイン」中編コンテストに応募しているのですが、規定文字数2~6万字の上限、6万字かつかつ。書いている私、なにがドキドキハラハラしたかって、文字数制限に収まるかどうかでしたよ。

 本作におけるヒロインは、コンテストに応募していることもあり「賢い」わけですが、その生まれと育ちから、教育を受けておらず文字が読めない設定です。
 もちまえの好奇心と(おそらく前世からの引き継ぎ記憶)「物語」で、里人を救います。なお、ヒロイン小花が「思い出す」「物語」は基本的に『山海経』や『唐宋伝奇集』などの中国の古典からの引用となっています。
 馬腹など、商業作品(超有名中華風ファンタジー)に登場している名前も散見されますが、出典は『山海経』などですので、ご了承ください。

 作品のテーマとしては『歴史”物語”とはなんだろう』という個人的な疑問への、一応の回答となっています。自問自答ですね。研究者が慎重に積み重ねてきた歴史的な事実の集積であるところの「史実」と「歴史物語」の立ち位置の違い。
 小花の出した答え、「ああ、そんな考え方もあるんだな」くらいに思っていただければ幸いです。

 小花の故郷の後日談については、古代より中国の紛争地帯ではよくあることでした。皇帝の御座所に住み、漢人文化が至上であることを信じていた官僚や貴族とはまた違った価値観で動乱を生き抜こうとする民衆の暮らしの切れ端が、すこしでも描けていたらと思っています。


 なお、薬研公主と冥耀君の熱々の恋物語とか、黎明君(聯星)の正体(一応、結語部分でそれとなく匂わせてはいます)、聯星と小花の道中怪異録とか、いろいろ枝葉の話があります。それは、作中の物語売りが語ってたように「それはまた次回の講釈」ということで。(堺正章氏が孫悟空を演じた連続TVドラマ『西遊記』の結語です)

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