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中東世界は敷居が高い(気がする)+日本史もやはりいいですね。

こんばんは。
最近は『續後三國志』の3日に1回更新にも慣れまして、中国史以外にも興味の幅を広げつつあります。(やることちゃんとやろうね)

というわけで、興味深い作品のご紹介です。珍しい。

崩紫サロメ『羅針盤は北を指さない』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884955363

オスマン帝国とサファビー朝という、『世界史の授業で習った気がする!』な感じの時代を描いた作品、ちょっと耽美な感じもあります。

「ベルベル人」バリに日常生活に関係しないワードが続出しますし(自爆)、なかなか選択できないテーマですよね(自爆二回目)。
肌感覚的にアラブ、ペルシャ世界はちと分からないところがあります。『千夜一夜物語』的に強い憧れはありますけど。

タイトル様に思うところがあってまだ考え中なのですが、文章も端正で内容も面白かったのでまずはご紹介まで。

しかし、丁零、高車、鉄勒、勅勒、突厥ならにじり寄っていく感じなのに、イスラム化後のトルコまたはテュルクとなるといきなり苦手意識が炸裂するのは偏見なんでしょうか。西遷してイスラム化しただけなのに(大変化です)。
生活習慣を知らないからかなあ。。。



日本史に取材した作品でも個人的注目作がありまして、江戸後期の儒者(?)広瀬淡窓を描かれるとのことです。詳しくない分野なので、楽しみです。

@moriyama-tomohito『流れの庭』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884806415

連載はまだ序盤だと思いますが、キッチリと世界を作り込んでいく手並みがすごいなあと、プラス人物が魅力的です。四極先生カッコイイ。人が行動する心事がリアルというか、腑に落ちます。
広瀬淡窓の名を知る人の大半は、司馬遼太郎『花神』由来じゃないかと思いますが、どうですかね。村田蔵六こと大村益次郎さんが遊学されたのですよね。
どんな道行きになりますやら、期待です。

8件のコメント

  • おおおお!ご紹介ありがとうございます!一応私の専門は中国近代史なんですが、上海に流れてきたオスマン人のフォローをしているうちにオスマン帝国に興味を持つようになった次第です。

    ナショナリズムの高まりの中、崩壊していくオスマン帝国を見ていると、何だか悲しくなってきて、多民族・多宗教が共存した近世のイスラーム諸国に魅力を感じました。

    論文を書こうかと思ったこともあるのですかま、敢えて小説という形でこの時代に興味を持ってもらえたら…というのが発端です。羅針盤はそこまで民俗問題扱ってないですが、オスマンの異教徒を取り込んでいく政策なんかを、小説で書いて行けたらなぁ、と思っています。よろしければおつきあい下さい。
  • 初めまして、河東です。
    明代小説をちくちく現代語訳しております。

    ご挨拶なしですみませんでしたm(_ _)m
    面白かったならレビューを書くのが筋なんですけど、中東は知識がないので尻込みしてこっちに先に書いてしまいました。

    李賀がお好きと書かれていたので「?」でしたが、上海経由オスマン帝国着なのですね。
    海路による交渉は古代から続いていましたから、蒲寿庚みたいな人が時代を問わずいたのは納得です。日本そのものが冊封体制の外縁だからかもしれませんが、中国史でも東西交渉史は特に強い魅力を感じますね。『松田壽男著作集』せっかく買ったのにまだ読めてないなあ。

    余談はさておき。
    昨今の時勢ではありませんが、民俗または民族問題は取り扱いが難しいですよね。第三者が扱う場合は視線を引かないと救いがない怨恨劇ですし、現実のパレスチナはまさしくそれで、民族感情の迷路の先にはだいたい悲劇が待っているように思います。呑気な日本人の見方なんでしょうけど。。。
    中東、とくにイスラム諸国の歴史に取材した作品はまだまだ稀少ですし、興味があっても身近な入口がありませんので、楽しみにお待ちしております。

    引き続き、よろしくお願いいたします。
  • お返事ありがとうございます。私のもともとの関心は漢詩で、李賀もですし、六朝のちょっと退廃的な感じが好きで(笑)そっちに進むつもりだったのですが、中国に語学研修に行って、「こんなの私の中国じゃねー!」とショックを受け(笑)

    じゃあ結局私の思い描いていた中国って何なの?とか、何があってどう変わったの?とか考えているうちに、中国文学ではなく、近現代史を学ばねば、となりました。

    卒論・修論で扱った上海共同租界の小説もちょっとだけあるので、また公開します。

    中東に関して言うと、ちょっとだけ当事者意識があったりします。というのは、一時期はイスラームに入信しようと東京ジャーミーに通ったりしたこともあったのですが、生まれも育ちもクリスチャンホームなので、結局イスラームとはご近所のギリシア正教の洗礼を受けました。先日もイスタンブル(ギリシア正教の総本山)でギリシア正教の新年礼拝に行き、その足でスレイマニエ・ジャーミーの礼拝に行き…何か「同じ空気」があるなぁと感じました。ゆったり、まったり、何かいい匂いがして猫がいる(笑)

    私のイスラーム理解もキリスト教理解も、ゆるーいトルコ経由なので、世間一般でイメージされるイスラーム(例えばサウジアラビアとか)とはかなり違いますし、カトリックやプロテスタント的なキリスト教とも違います。

    それはあくまで私の主観なのですが、小説にも反映していると思います。まあ、あまり気負わずに書きたいのですが。だって気負わない感じがトルコですから(笑)

    今後とも、どうぞよろしくお願いします。
  • こんばんは。
    御教示ありがとうございます。

    宗教に自覚的な生い立ちなんですね!私は奈良に所縁が深いので、自然に仏教より神道が身近なゆるゆるな感じになりました。森羅万象みんな神様よ、って感じです。これは逆に遊牧民的な気もします。

    イスタンブールいいですよね。サマルカンドとともに行ってみたい街です。タバコを止めたら行きます(笑

    しかし、トルコは世俗派だから(モゴモゴ)な感じらしいですね。突厥らしいなあ、と思います。なかなかのオモシロ&強靭な民族ですから。


    〉六朝のちょっと退廃的な感じ

    南朝のは科挙以前にしか許されない詩ですよね。
    詩は苦手ですが、梅聖兪みたいに科挙に受からない人の詩は楽しくて好きです。
    猫カワイイよ猫、的な感じ。それを詩に歌っちゃいますか?と思いますよね。ニワトリとかも。

    李賀といえば「陳商に贈る」が有名ですよね。
    『楚辞』を読んでいるのが実に象徴的です。

    長安に男児有り
    二十にして心已に朽ちたり
    楞伽案前に堆く
    楚辞肘後に繋る
    人生窮拙有り
    日暮聊か酒を飲む
    祗だ今道已に塞る
    何ぞ必ずしも白首を須たん

    初手からの行き詰まり感、漢詩にはなかなかないです。


    〉こんなの私の中国じゃねー!

    あー分かります。現代中国が好きかと言われれば、好きな友達もいますけどだいたいキライです。
    ただまあ、宋代の裁判史料を見る限りはすでに今風なんですよねー。だから、唐代以前が私の中国なのかなー、と。


    〉中国文学ではなく、近現代史を学ばねば、となりました。

    頑張りましたねー、近現代は早々に捨てました。
    唐までは行けました。宋もキライじゃないです。元と明、オマエはダメだ。って感じです。
    しかし、殷から漢で考えたり、漢から南北朝で考えると、中華は広がる一方なんですよね。

    で、ウィットフォーゲルとかの世界全体の歴史から見れば、中国は先進地帯であるメソポタミアにとっての辺境に過ぎませんし、その広がり方や受け入れ方に独自性があるのかな、と思っています。

    だから、逆に今の中国は私が知る中国とはまったく別物、何故なら中国は変わりつづけるから、と考えておりまして、漢と唐もまったく別物ですので、そこが楽しいと思っています。
    唐から宋までは手が出ませんから、漢から唐に限定してなんかしようと考えております。

    神戸で華僑のお婆さんに聞きましたが、上海の租界も何かスゴイですよね、文化のごった煮って感じで。楽しみにお待ちしております!



    レビューはまだ考え中のところがありまして、もうちょっとお待ち下さいねー史実と虚構をテーマにしようと思ったらハマってしまいまして、何か悩み中なのですm(_ _)m
  • 河東さま

    私は上海にしてもトルコにしても「ごった煮感」が好きです。
    オスマン帝国の場合、複数の一神教が普通に共存してて、
    それぞれに「唯一のもの」をもっているわけですが、他の人の「唯一のもの」に対してケチをつけない感じが好きです。
    今のトルコで教会やモスクに行ってもそんな感じがあります。
    つい習性で、モスクに入るとき十字を切ってしまいましたが、おばちゃんにくすっと笑われて「おいでおいで」って言われました(笑)
    で、猫と一緒に絨毯の上でごろごろしてました(笑)
    基本的に椅子文化より絨毯文化が好きです。

    猫の詩と言えば、梅堯臣もそうですが、陸游なんかも溺愛してますよね。
    あんまり多数派じゃないのが残念ですが。

    そういえばこの前、イスタンブルで、茶色い猫かと思ったら、茶色い鶏がてけてけ歩いてました!
    結構かわいい!

    李賀と言えば、「贈陳商」のアレな感じになる前の自信満々でイタイ感じのも好きです、
    「雁門大守行」とか。ちょっと中国では普通にない色彩感も相まって。
    でもまあ、李賀って生涯中2病みたいな感じですよね(笑)
    出会ったのが中2の時だったので、激しく共感したのですが、大人になってからじゃ引いていたかもしれません(笑)

    >何故なら中国は変わりつづけるから
    そう、そうです!
    変わり続けるから面白いんですが、変わったすべてが好みとは限らない、という(笑)

    私も正直晩唐くらいで時間が止まっているのですが(笑)、
    やはり「私の中国」を破壊したウェスタン・インパクトとやらと戦ってやろうと、
    敢えて西洋史に進み、ドイツに留学し、ネッカー河のほとりで漢文読みをしてました(笑)

    で、ある研究会で、よく知らない院生から「その問題意識(文化的多元性とか、ウェスタン・インパクトと戦う)ならイスタンブルとかがいいのでは?」
    と言われ、「…。…。…。…!?」
    というような状態に(笑)
    イスタンブルで博論書くで~!とトルコ語を学び始めたところ、運良く一般就職が決まり、博論を書かずにすみました(笑)でも、トルコ語は続けています。ウェスタン・インパクトとも戦ってるつもりです。

    サマルカンドも行きたいのですが、自分の原則として「言語のできない地域には行かない」ってのがあるので、ウズベク語の習得が先になるかー(遠い目)テュルク系なので混ぜるな危険、なのです。

    うわあ、レビュー考えて頂けるとは光栄です!
    感想頂けるだけでも嬉しいというのに…!

    今後とも、どうぞよろしくお願いします!
  • レビューありがとうございます!!!!!
    初めて頂いたレビューで、本当に本当に嬉しいです!!!

    やはり史学科出身なので、史実と虚構の境目はきっちりさせて、そこにオリジナリティを出す、というのを信念とかいうよりは肌感覚でやっているということに、このレビューで気付かされました。

    書いている側に見えないことが、読んでいる側には見える場合もあるんですね。こういう形での発表は初めてなのですが、やってみてよかったなぁと思っています。

    本当にありがとうございました!
    そして今後ともどうぞよろしくお願いします。
  • こんばんは。

    レビューが遅くなりまして&まとまりが悪くて申し訳ありませんでしたm(_ _)m
    考えすぎた感ありありで反省です。楽しんだなら感じたままに書く方がいいのかも知れませんねー。

    それにしても、崩紫さんはハイブリッドなルートを通られたんですね。クリスチャン、西洋史専攻、漢詩に短歌、しかもトルコ語まで勉強されているとは(ウズベク語。。。)、振り幅が広いなあ。

    イスタンブールで暮らしを実見されると、史料を読んでも見える景色が違いそうで羨ましいです。

    次作も楽しませて頂きます。
    以下はちょろっと雑談がてら。

    〉ウェスタン・インパクト

    中国は常に何処かから圧迫されて変化している感じで、よく考えなくても周や秦も西からの圧力なんですよね(最近気づきました)。殷の戦車も西から来たようですし、唐は関隴軍閥による拓跋国家の最終形態、以降も変わり続けるけどやはり中華。
    ウェスタン・インパクトは最大のものではあっても、最終的には永嘉の乱や靖康の難のように歴史に組み込まれてしまうのでしょうし、好き嫌いは措いて強靭な仕組みに興味が尽きません。
    島国日本の文化とはパワーの違いを感じます。


    〉陸游

    たしかにこの方、かなりの猫好きですよね。
    「貓を贈る」
    鹽を裹んで迎え得たり、小狸奴
    盡く護れ、山房萬卷の書
    慚く愧ず、家貧しくして勳に策いること薄く
    寒に氈坐無く、食するに魚無きを
    このネコが亡くなった時の詩もあったような。主流の愛国詩とのギャップがスゴイです。


    〉「雁門太守行」
    黑雲、城を壓して、城、摧けんと欲す
    甲光、日に向かいて、金鱗開く
    角声、天に満つ秋色の裏
    塞上の臙脂は夜、紫を凝らす
    半ば巻ける紅旗は易水に臨み
    霜は重く、鼓は寒くして声は起こらず
    君が黄金臺上の意に報いんとして
    玉龍を提携して君が爲に死せん

    黒、金、臙脂に紫、また黄金、いやーこうして見ると色彩感覚含めて中二感全開、これじゃヤンキーですよ。。。ラノベ風でもありますね。
  • こんばんは。

    またまた読んで頂いてありがとうございます~!

    割と迷い無く迷いの多い人生を歩んできた方で(どっちだw)、いろんなことに手を出したりしました。

    拓跋国家、ちょっと(かなり)興味がありまして。というか、南北朝時代の夷犾→中華の変容ってのが興味深いです。「中華とは何か」の本質を問うようなところですから。

    陸游は、愛国、愛妻、愛猫、いろいろありますよね~。1万首も残している時点ですごいですが。

    はい、李賀は中2ヤンキーです(笑)
    諱がどうのこうの以前に、官僚としてやっていくのはきついひとではないかと(笑)

    近況ノートにまたオスマン帝国の霊廟のことをつらつらと書いておきました。ここ、写真載せられないのが残念なのですが。

    処刑された王子の作曲した曲のCDを買う→ウォークマンに取り込む→墓の前で聞く、という謎旅行でした(笑)
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