• エッセイ・ノンフィクション
  • 現代ドラマ

ハロウィーン狂騒曲の渋谷で意外な出会い

 10月28日の夕刻。小説に臨場感を出すために“現場”は大切、と渋谷駅前のスクランブル交差点に向かいました。横断が目的ではなく、スポットライトを浴びたいだけの群衆の動きを体感するためです。驚いたのは警察官の数。前日、想定外の大騒動でしたから、当然の対応ということでしょう。道路脇で注意を促すDJポリスもユーモアなしのマジ口調。
そんな中、信号待ちをしていると、威嚇するように並んだ機動隊車両の最後尾、交差点ギリギリにハザードを点滅させて駐車する黒塗りでピッカピカのBMWを発見。運転席は無人で、ダッシュボートにも生活感の欠片もありません。もしや“覆面”(?)と思いましたが、ならば場所柄赤色灯を点けるはず。交差点を渡りながら確認すると、見慣れない青いナンバープレートに「外」の文字。「おおっ、大使館のVIPか」と周囲をキョロキョロ。すると、横断歩道の真ん中付近でカメラに向かってポーズを取る外国人の少女が一人。一瞬、映画「レオン」のマチルダを連想しました。瞬時にVIPと彼女が結び付き、BMWの脇に立って目配りしていた外国人男性の存在にも合点がいきました。きっと、母国のお友達に奇妙奇天烈な日本のハロウィーンを伝えるか、自らのブログやインスタにでもアップするつもりだったのでしょうね。「一体、どこのドイツだ」なんてツッコまないでね。全ての大使館が自国メーカーの車を使っているとは限りませんから。ちなみに右ハンドルでしたよBMW。左側通行の日本では、外国人と言えども、左ハンドルは不向きということでしょう。ということで、やっぱり“現場”は大切です。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する