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和を以て貴し1

https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818093080108189923



「エーラ。どんどん素材を流してくれよ。俺がしっかり作ってやるから」



「……ねぇムシク。ムシュリタ、いらなくない?」



「……」



「……」





 エーラの言葉にもムシュリタの視線にも、俺は応えなかった。

 ムシュリタが一途な男で助かっている面は多々あるが、実りそうにない恋心を間近で見せられるというのは切ない。かといってどうしようもなく、やるせなく、結局、心の中でアーメンと唱え目を閉じるしかできなかった。この世界では効果のない祈りである。

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