https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818093079679067071「ムシク。森の連中とはこれまで衝突がなかった。今回の件でそれが変わるかもしれない。下手をしたら争いになる。それは分かっているな?」
「はい。そこは俺も危惧しています」
「ではどうする。そうなったら、せっかく発展した集落が破壊されてしまうぞ」
確かに危険な状態である。眠れる獅子の尾を踏み抜いたとしたら大変な騒動。原始時代のスローライフが急転直下で民族紛争に突入し平和な暮らしは途端におじゃん。由々しき事態だ。
しかし、これはチャンスでもあった。先にあがっていた、狩猟でしか生きていけない男達をどうするかという問題の解決に繋がるかもしれない。探していた共通の敵……シュバルツの民。奴らを使えば、一致団結も見えてくる。
思ったよりも急だったが、この機運は逃せないな。
突発的に発生したアクシデントだが有効利用できる。軽薄だが、俺はそう思った。