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自由のために10

https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818023213210831793

 庁舎から会社へ移動。普段はリモート作業や他社役員との外会議などでスケジュール調整しているため久々の出社。普段顔を見合わせない従業員をそわりとさせてしまったが気に留めている場合ではない。ブリックについて調べなければならなかったのだ。わざわざオフィスで行う理由は一つ。社内の専用サーバに膨大な資料を格納していたからである。政治家、経営者に関する情報を自動で収集、保存する用心データベースは社長室からのみ閲覧可能であり、俺の指紋と虹彩の認証によりロックが解除される。検索、ソート、付箋などの機能を備えており、UIも俺の好みに合わせた完全ワンオフ仕様。会社の金で作ったはいいものの面倒臭がってあまり活用する機会がなく持て余していたのだが、丁度使う時がきたというわけである。





「あ、社長。ご相談が……」



「すみません今忙しく、後程伺います」





 役員を振り切り社長室へ。施錠し、万全なセキュリティの中調べ始める。検索ワード”アントン・ブリック”。表示される官報や記事。年代を絞り追っていくと、興味深い内容が見つかる。




 ネストニ七七号赴任

 アントン・ブリック議員

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