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起業10

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やはり、貴賤というものは存在します。我が国は確かに豊かにはなりましたが、それ故に誰もが安易に、安直に物を考え、生産と消費について短慮となっています。具体例を出しましょう。例えば先程消費傾向が強まっていると申し上げましたが、内訳としては消耗品と食費の割合が顕著に上がってきている状態です。ベーシックインカムのおかげで、抑える必要がなくなった部分が上がったと見るべきでしょう。しかし、逆にレジャーやエンタメについては減少しています。労なく腹が膨れ、サブスクリプションなどの定額サービスで簡単に時間を潰せる。楽しみや余暇に時間をかけなくなっているのです。我が国は、生きていくうえではこれ以上ないくらいに恵まれていますがしかし、面白みがない。与えられた物を貪り、本当にしたい事、やりたい事が見えないまま生涯を終える。それが現状です。一昔前ではこういった生活を堕落と言いました。働かずとも生きていける。苦なく安寧を享受できる。何から何まで人任せ。自身の人生についてさえです。そんな人間から金を得るにはどうしたらいいのか。山盛りのポテトとコメディを提供してやればいい。私がそれなりの資産を築けたのはそういったサービスを展開したからです。飲食、エンタメ業界に参入し、脳が回っていない人間向けのコンテンツとサービスを提供していた。おかげで金は入りましたが、これは糞と同じです。愚鈍な人間を太らせて出る排出物を僕は得ていたのです。そこには哲学も理念もない。

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