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貧者の偶像2.13

https://kakuyomu.jp/works/16817139555435089667/episodes/16817139556243297070


 彼女は表情を変えずに鼻を鳴らし、ソーサーから持ち上げたカップを静かに傾けて、小さく、細い喉を蠕動させた。



「あれ以上は、私していませんから」



 紅茶を流した喉から出た言葉に一瞬ぎょっとして、栗山が何を言っているのか理解しようと頭を巡らせた。何をもなにもないのだが、彼女の口からそんな下品な台詞が出るとは思わなかったし、聞きたくもなかった。

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