クロスレイジ1章解説

一話ではなんと冒頭から主人公の甲田怜が悪漢に絡まれる展開が始まります。物語の導入部分の入り方は星の数ほどのバリエーションがあるのですが、自分の場合はあえてトラブルを起こして登場人物達の対応や反応を引き出して無駄な説明を省いてしまおうと試みました。
主人公には物語を牽引していく対応能力が求められてきます。もし、怜とディークが普通の人間ならダイキンに暴行された挙句に運が悪ければ殺されて終わりでしょう。柔軟にトラブルに対処する力は現実でも求められている要素なので大切ですね。
今回はダブル主人公ということで二人のキャラクター性の違いを出すために最初の話で同じ場面に遭遇した…という形を取っております。この手法は『ダンバイン』の1話で富野監督が反省していたエピソードを考慮した結果です。
加えて導入部ですので文字数を少なめに抑え、わかりやすく読みやすいをモットーに仕上げました。
しかし、多少手直ししているとはいえ十年前に書いた文章なので今見るとかなり粗削りな部分があります。今だともう少しスマートにまとめられるかもしれません(笑)
作中でいくつか固有名詞が出てきますが、割とのちの伏線になりそうなものも仕込んでいます。ダイキンは単純なわかりやすい悪役として描きましたがうまく機能していたような気がします。実は後に再登場する予定があり、その為に直接的な死亡シーンは描かなかったのですが没になりました。

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