わたしはわたしにしか救えません
だれのどんなお心も わたしを揺すったり泣かしたり
永いあいだ灰色の砂をかぶっていたよろこびの井戸を見つけさせようと
一緒に地団駄踏もうとしたりしてくれますが
あぁ なまけものだから むりなのです
わたしに必要なのは 盲目な勇気を持った 遠い日のわたし
いったいだれが わたしを連れ返してきてくれるというのでしょう
枯れた心は砂漠に根づき
断ち切るときには眩しい檸檬の飛沫のような痛みがする
そのことを知っていると
どこへ行けなくてもいいかなとおっくうになれてくるのです
此処も悪くはないとは むりにみる蜃気楼だけど
わたしが死んだら悲しんでくれるだれかのために
わたしはわたしを生かします
わたしはわたしにしか救えません
わたしはだれからも救われてはくれません