どうも! あなたの東雲です。
祝杯をあげながらこの記事を飲酒執筆している自分をどうかお許しください。
さて、昨年9月から連載を続けていた拙作『聖女禁装ゼスマリカ』が、本日の更新をもって無事完結いたしました!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883341204いやあ、振り返ってみれば丸々1年間くらい連載していたんですねぇ……。
ちょうど今日に同じく最終回が放映された『仮面◯イダービ◯ド』からも早一年が経ったことになりますし(素晴らしい作品でした。◯映さん及び役者の皆さん、本当にお疲れ様でした!🐰🐲)、長かったような短かったような……そんな不思議な1年、されど価値のある1年になったと思います。
実はこの作品を書き始めるにあたって、自分に課した『目標』が2つほどありました。
1つは、ロボスキーである自分が愛してやまない劇場アニメ作品『機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-』にて登場人物が言うセリフ
「たとえ鎧をまとおうと、心の弱さは守れないのだ」
に対して、自分なりのアンサーを出そう……という目標。
人はなぜ『ロボットアニメ』に惹かれるのか。
その理由の一つに、『(魔法も超能力も使えない)ごく普通の人間が、ロボという鎧をまとうことによって戦う力を得る』というのがあると自分は思っています。
ここでいう“戦う力”とはすなわち、“世界に訴えかける力”。
フィクション世界においてロボは単なる兵器としての枠を超え、弱き者の声を伝えるメッセンジャーにもなるのです。
しかし、どれだけ強靭な鎧(=ロボ)で己を塗り固めようとも、己が持つ心の弱さに変わりはない。
上記のセリフはまさしく、この世すべての娯楽ロボアニメ作品の核心をついているとも言えますよね。ええ……本当に心へ響く、素晴らしい名言です。声も山◯さんだし。
なので自分もこのセリフは作品のテーマも相まってとても大好きなのです。
好きなのですが、その一方で
『このセリフに何かを言い返せるようなキャラクターが作りたい』
と、一次創作者としての意地めいた感情が、いつしか自分の中に芽生えていました。
いやあ、自分で言ってておこがましいですね……笑
そして掲げていた目標はもう1つ。
これは単純です。『作者自身が書いてて楽しいお話を作ろう』というものでした。
ここでまた『仮面ラ◯ダー』の話に戻ってしまうのですが、ああいう4クールものの作品ってどうやら“明確なゴール(=結末)は決めないままスタートする”らしいんですよね。
勿論作品や脚本家によって異なることもあるんですが、インタビュー記事を読んでそれを知ったときに自分の中で衝撃が走りまして!笑
プロットをなぞろうとするあまり、執筆が淡々とした作業のようになってしまう……という経験はこれまでに多々あったこともあって。
なので、いっそ「真似してみよう!」って思ったんですよね。
ええ、そうなのです。本作『聖女禁装ゼスマリカ』は、(最低限のプロットこそ用意していましたが)基本的に全編“ノープロット”でお送りしておりました笑
以上2つの『目標』が定まってからは、作品の設定や方向性なんかもあっという間に固まっていきましたね。
途中で自分が投げ出さないためにも、好きな要素を盛れるだけ盛り込んでしまおう、って。そうしているうちにトントン拍子で“女装男子xロボxユーチューバー”という大方の作風は決まりました。
その過程で生まれたのが、この作品の主人公・逆佐 鞠華(さかさ まりか)です。
あれから一年。
あえてここではネタバレは控えますが、彼はきっと北辰に上記のセリフを言われても言い返すことができるキャラクターに成長してくれたかな……と思います。……多分ね!
はじめは「俺の可愛いマリカくんを見てくれ!!」くらいの感覚で書き始めたものの、彼がどのようになっていくのかを想像しながら話を書き連ねていくうちに、彼はどんどん自分の手を離れていき……今ではすっかり、自分にとってのヒーローになってしまいました。
ヒーロー……と言葉だけでいうと薄っぺらいかもしれませんが、これは単に『皆を守ってくれる人』という意味合いだけではありません。
真にそう呼ばれる人って、得てして「生き様」そのものがカッコいいんです。自分の中では“テンカワ・アキト”も“桐生戦兎”も、人生に行き詰まったときにそっと道を示してくれる……そんな「尊敬できる人物」こそが「ヒーロー」なんです。
そしてアニメや特撮ドラマ以外にも、現実世界でそう呼べる人物はもちろんいます。
自分にとってのそれは、小説を読むことの楽しさ・面白さを教えてくれた、高校の現代文の先生でした。
卒業するとき、その方は自分にこう言ってくれました。
「いつも心に物語を」
その言葉をどのような意図で仰ってくれたのか、正解は正直自分にもわかりません。
ですが、自分はこう思うのです。
“大好きな物語が一つでもあれば、人は強く生きてゆけるのだ”と。
また、そういう作品に出会えることは、本当に幸福なことなのだと。
そして、一端の物書きとして、こんな願望も生まれます。
“自分の書いた物語”が、“誰かの心”に響けばいいな、と。
きっとそれは、創作をするすべての人間に共通する願いでもあると思います。
この作品を読んでくださった読者の方々に。
読んだ後も、その人の心のどこかで“逆佐鞠華”が生き続けてくれたらいいなぁ……と。
最終エピソードのタイトル「いつも心にドレスアップを」は、そんな思いを込めて付けました。
……と、ここまで長々と書き連ねてしまいましたが、こんなものはただの前置きに過ぎません!
それよりも自分の言いたいことはただ一つ!
「男 の 娘 と ロ ボ は 最 高 だ ! !」
ということだけです!!!!!
……台無しですね笑
最後に、ここまで読んでくださったすべての読者様に盛大な感謝を。
嬉しいことにFAもたくさん頂いてしまいました。エールとしてとても励みになりました。本当にありがとうございます……ゼスマリカ、描き難いデザインでほんと申し訳ないです笑
今後も物書きとして、より精進……いいえ、『ドレスアップ』をしていきたいなと思います!
そして、今度は次回作でまた会いましょう!
以上、東雲でした!
P.S.さらば、逆佐鞠華。また会う日まで――。