• 現代ドラマ
  • 現代ファンタジー

『私はリングの中で幸せを探す旅に出る』あとがき

4月から連載しました、「私はリングの中で幸せを探す旅に出る」が完結しました。
いかがでしたでしょうか?
毎度ながら、あとがきを綴りたいと思います。

今回の物語は、何と言ってもスムーズに書けたことが良かったです。
お盆に帰省の為に少しお休みした以外は、70話、約32万文字を滞りなく公開していけました。
しかも今回は終盤のチャンピオン戦以外は、大項目程度しか検討しない状態でした。
当然プロット(らしきもの)も全然無くて、でも、満足いく内容に仕上がったと思います。

今回のテーマは「家族愛」でした。
なので、最終戦に勝利することが目標ではなくて、その勝利によって自分を含めた家族が幸せを手に入れるということこそが目標となります。
だから今作は、ラストから逆算してストーリーや設定を煮詰めていきました。
例え才能があるとしても、たった1年でチャンピオンに勝つという設定ありきでしたので、どうすればこの突拍子もない事態が、ある程度それらしく見えるか…

主人公のボクサースタイルも、インファイトなのかアウトボクシングなのか、スピード系なのかパワー系なのか、ラストの試合を前提に考えていって、ワンパンKOタイプと決まって(これ自体が女子ボクシングとしては異例だと認識しています)いきました。
では、そのパワーはどこからきたのか。
不幸な事件で両親を亡くし、その遺言によって幼少より体を鍛えてきたからという設定が生まれます。

最初の掴みとしても不幸な事件を活かしたかったので、トラウマ級の出来事にすることによって感情を無くしたとすれば、その感情を取り戻していきながら成長していく物語が面白そうだなとなって、今回の物語の骨格が出来上がりました。

避けて通れないものとして、スクールライフでの当然あるであろういじめに関する話題や、周囲の大人たちの対応、面白おかしく素敵なライバル達、最後に親戚関係のまとめと、色々と人間関係も詰め込めるだけ詰め込みました。
広げた風呂敷は回収しきれてませんが、これらは続きを書くことがあるとすれば、その時こそ回収すれば良いかなと思って、後半は敢えてクローズアップしていないです。

全体として注意したのは、小説の主人公らしい尋常ではないパワー以外は、極力現実的にしたいことです。
だから、いくらボクサーとして強くなっても、主人公は思春期の女の子なのです。
そういった状況から、王道ボクシングストーリーにならないようにも注意しました。
ただひたすらに勝利を目指す内容にはしませんでした。
勝つためだけに苦悩し、勝利という結果が全て、敗北から立ち上がるといった内容は、偉大なる先人達が散々表現していますからね。

一番苦しんだ部分は、感情が無いという設定でした。
この感情を一つずつ回収していって、回収した感情は次回以降表現されていくので、忘れないようにメモを開きながら確認していました。
なので笑いたくても笑えない時は、心がくすぐったいと表現してみたり、感動した時も、心が温かいと表現してみたり。
そうやって誤魔化しているにも関わらず、思わず苦笑いさせてしまったりと、取り戻していない感情を表現してしまう場面もあり書き直しました。
でも、自分なりに泣いたり怒ったりという感情を、ある程度自然な流れで主人公が受け入れて表現していったんじゃないかなと自己満足もしています。
取り戻すシチュエーションを考えるのも大変でしたが面白かったです。
散々対人関係を避けてきた結果、極端なほど皆無なコミュ力だったり、産まれて始めてボクシングという宝の地図を手にした少女が、その地図を元に少しずつ感情を取り戻していく流れは、書いていて難しかったけれどやりがいもありました。

家族の幸せを手に入れるという主人公の最終目標も、結構悩んだ部分でもあります。
資金繰りが上手くいかず、借金というリアルな苦悩によって結婚出来なかった義理母。
病気に関してはベタな設定ではありますが、病名まで表現するのは止めました。
少し調べても、そんな都合のよい病気なんかあるわけもなく…、リアルにその病気で苦しんでいる人が見ていたらと思うと、流石に安易に書けませんでした。
その代り弟の幸せは、中学生にしては子供っぽい、誰もがそんな馬鹿なと思うような単純明快なものにしました。
どれもが重い話しだと、暗くなりすぎるかなとも考えたからです。

全体的に重たい内容なのですが、暗い雰囲気には絶対にしないと決めていました。
文字以外で物語を考えた時、設定からはどうしても暗い場面を想像しがちです。
それは避けたくて、読者がそんな暗い状態のまま読むのは、面白くないだろうなと思ったのが大きいです。
つい応援したくなるような物語を目指しました。

試合の描写についても、最初は色々と悩みました。
文字だけだと、どうしても似たり寄ったりの表現になってしまうし、それが単調だと感じると、肝心の試合が白けてしまいます。
現にそう感じる試合もあると思います。
動画も観たりしたのですが、これはかなりの難問でして、一人称視点も相まって苦戦しました。
試合部分だけでも三人称視点にして、観客視点や、ライバル達の視点、対戦相手の思考なんかも盛り込んだ方が良かったかも。
今後の課題になると思いました。

そんな苦しみを乗り越えて、無事完結出来て感無量です。
本当に好きな物語が書けて大満足です。
世知辛い世の中ですが、自己満足は許されるはずです。
そして、次の作品が生まれるのです。

最後に第一部完としたのは、一応今後の物語もある程度考えてあります。
感情を取り戻したが故に、浮ついた主人公がコロッと負けてみたり、それを叱咤激励するライバルや、新しい家族との生活、恋人との甘かったり苦しかったりする関係、ひまわり荘の新しい住人とのトラブル、社会人としての苦悩、親戚との確執、新しいライバルとの激闘、そしてチャンピオンとのタイトルマッチ…
勿論、タイトルマッチの試合展開は決めてあります。
どちらが勝って、そしてどうなるかも決めてます。
そこまでは書きたいなと思いつつ、今回はここで一区切りです。

長期連載にも関わらず、初期から応援してくださった方もいらっしゃって、感謝を申し上げると同時に感激もしています。
DMにて素敵な長文の感想もいただけました。
本当に書き上げて良かったと思える物語となりました。
読んでくださった方、全ての人にありがとうを伝えたいです。

さて、次回作ですが…
候補は色々とあって迷っています。
前回の「孤独な皇帝」が完結した時も迷って、最初は野球ものでオッサン主人公で書いたのですが頓挫し、結局今作の公開になった訳ですが、今回も非常に悩ましい状況です。

候補の1つはSFでして、これまた未知の分野です。
今まで散々現代アクション、現代ファンタジーを書いてきたので、そこから大きく外れる設定やストーリーに入り込めるか…
妄想力が試されている感じがします。

もう一つはリアル仕事系に恋愛要素を盛り込んだ物語。
逆にファンタジー要素が皆無の話になります。
仕事系は良いのですが、恋愛要素がなぁ…
恋愛音痴の自分に、どこまで書けるか甚だ疑問であります…

もう一つは前回も候補にあげた王道ハイファンタジー。
これは中学、高校の時に書いた元文章データが残っていまして、改定することで公開は可能だと思います。
序盤だけ公開して、反応が良ければ続きを書くのも1つの手かなとも考えています。
取り敢えず少しいじってみようかな。

そんな訳で、引き続き妄想していきます。
誰にも私の妄想は止められないのです。
さながら、「私はPC画面の前で妄想を探す旅に出る」ってところです。
少し時間をいただいて、妄想パワーをためていきます。

最後に、今作に限らす、感想、評価などいただけたら嬉しいです。

それでは次回作でお会いしましょう。

SEE YOU(^_^)/~

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する