去年から連載していました「清国虎姫伝」、無事完結しました。読んでくださった皆様、ありがとうございました。
この作品は、八年ほど前に書いた作品のリメイクです。確か当時、「中国もの書きたい、それも中央じゃなくて西域。んでもって、中国と言えば虎!」というわけのわからないノリで書き始めたような記憶があります。
で、某ラノベ大賞に応募するも二次で落選し、長らく放置していたのですが、去年からちまちまと改稿開始。おおよその展開と設定はそのままに、しかしかなり手を加え、一層琥琅が大暴れし雷禅を振り回す作品に仕上がりました。
彗華
モデルはわかりやすく、敦煌。名前は「~華」としたかったからです。
西域辺境の都で、リアルと同様、東西交易の要所。様々な民族とその文化が混在する、砂漠の国際都市です。中原からすれば田舎ですが、繁栄しているし、ここから最新の文化が発信されたりもしている……という設定。
河西回廊
実在の地名です。現実では西安の西部にある、二つの山脈に挟まれた長大な高原地帯。いくつかの町があり、嘉峪関があり、西域と呼ばれた乾燥地帯と中原を繋ぎます。あまり作物が育たない地域らしいですが、川辺はそれなりに緑があるそうです。
玉霄関
モデルは言うまでもなく、嘉峪関。現実のものと同様、河西回廊の西端にあって、中原を西の異民族から守るために建設された設定。商人が集い市場を形成しているのも、現実に即した設定です。現在の国境付近ってどことも殺伐としていたり何もなかったりですけど、近代以前だと割とそうでもなかったのかもしれません。
甦虞人
モデルはそのまま、ソグド人。いわゆる胡人の一民族で、交易などで大いに活躍したイラン系の少数民族です。
唐代の交易民族といえば彼ら、ということで参考材料に決定。最初に執筆していた頃、資料探しが楽しかった記憶があります。歴史に消えた異民族とか、何その素敵な響き。
吐蘇族
モデルはチベット民族……というわけではなく、こちらは思いつき設定のみ。そりゃ、中国西部の少数民族ということで頭をよぎりはしましたけど。しかし設定として話に組み込めそうなものが見つからなかったので、断念しました。
とはいえ、この作品を最初に書いている頃、チベット動乱が起きてマジですかと驚いたのが思い出深いです。
琥琅
本編の主人公。大暴れする強い女の子設定に、虎に育てられた野生児ステータスが加わった結果、どこぞのゲームの野生児君じみた子になりました。
……虎娘というか、犬だよな、この子。雷禅とおかんのことしか考えてないような気が。まあ実際、犬っぽくと考えつつ書いてましたけどね。特に、雷禅との絡み。その結果、どっちがヒロインなのかわからなくなりました(笑)。
綜家では、雷禅の義母と老師には割と懐いてます。自分の養父にも、それなりに心を開いてます。雷禅の義父とは、あまり接点がないので悪い人ではない程度。まだまだ人間とのふれあいに慣れず、関心も持てていません。
雷禅
本編のヒロイ……もとい、琥琅の相棒。名前は、「雷」をつけたかったからというのが由来。琥琅の相棒に相応しい振り回され役と、琥琅に代わって物語の様々なことを語る役を担ってもらうことに主眼を置いて生まれたキャラです。
琥琅の飼い主、と周囲のほとんどに思われてます。琥琅の扱いで困ったときは奥方か老師か御曹司、が綜家の使用人の常識。
もういっそ琥琅を言いくるめてしまったほうが……と思うこともある、切ないお年頃。親連中は、彼と琥琅の恋路(?)を生温かい目で見守ってます。で、からかわれて赤面or脱力するのが日常です。
天華
雷禅の保護者もどき。
精神年齢はまあ、それなりの御歳ということで。気にくわないことがあると、容赦なく制裁を加えてきますので要注意。
人間や鳥獣の噂を収集するのが趣味。
白虎
結局、名前がないままだった神獣。
彼も一部、割と犬猫じみた性格になってしまったような……一応、精神年齢は成人男性なんですけどね。まあ、人に育てられた猛獣は飼い主に対して、割と犬猫じみた懐きかたをするみたいですが。琥琅以外にはかっこよく、と頑張ってみたつもりです。
呼び起されては清民族に力を貸し、また眠ることを繰り返してます。琥琅の養母とは良き戦友として、強い絆で結ばれていました。
風を操る、商売繁盛を司るというのは、中国の古典から。四神の中でもっとも若いとも、またもっとも歳を経ているともされているとか。
秀瑛
設定がかなり変わった人・その一。
リメイク前は、西域辺境の将軍で伯珪の護衛という設定。が、西域府君が赴任してくるという設定に変更する際、新しい西域府君になるのは手柄がある武将のほうが自然だよなー、ということで設定変更。性格はあまり変わってないです。
かなり強くて、しかも強い人と戦うのが好き。なので、琥琅の養父と戦う機会を狙っている、という裏設定があります。あと、きっと酒豪だと思います。
伯珪&黎綜
設定がかなり変わった人・その二と変わってない人。
リメイク前、伯珪は西域府君(まともな領主設定)の子息でした。黎綜は秀瑛の甥っ子で、性格もそのままです。
どちらも十代の設定。伯珪のほうが年上ですが、黎綜も秀瑛の小間使いを何年もやっているので、秀瑛の側近歴は似たようなもの。なんだかんだ言いつつ、二人とも秀瑛を尊敬していると思います。
遼寧
馬なのに一キャラとして目立ちまくってしまった雄馬。作者も、ここまでこいつがお笑い担当として出張るとは思ってませんでした。なんだこの書きやすさは……。
元軍馬で、所有者の事情により綜家に引き取られました。精神年齢は、多分若い。玉鳳に惚れていてアピールを欠かしませんが、いつも冷たくあしらわれてます。そして他の馬に馬鹿にされている。あ、これがホントの‘うましか’か……。