あんまり近況ノートを書かないクチなのでお久しぶり、というのもなんですが、ともかく。
5月28日の発表でしたのでいささか遅まきに失した感があるのですが、SF・ゲーム部門から特別賞として拙作「培養カプセルを抜けだしたら、出迎えてくれたのは僕を溺愛する先輩だった」が選ばれる、という栄誉に浴しましたことを、ここにご報告します。
正直、この結果にはいろんな意味で驚いています。拙作は読者選考段階での獲得ポイントでもそれほど多くの支持を集めたわけではなかったように思いますし、作品としてのまとまり、完成度といった点でもよりすぐれた作品は多数あった印象でした。
そうした作品の何点かには私自身、絶賛モードでのレビューをお寄せしておりましたし、その、何というか拙作は未完のまま三カ月ほど加筆されていなかった状態でした。
なので「特別賞です」というお話を頂いた時点でも、それら良作のいずれかが大賞なりなんなりを獲っておられることだろうなあ、と思っておりました。ところがふたを開けたら……です。
何が何だかいまだによくわからないのですが、ともかく自分の書いたものに公然と書籍化のチャンスが与えられた、という現状であるわけで。
……嬉しいです。この数年ずっと、こんな日が来ることを半ば盲信し、半ば叶わぬ夢と諦めながら、もがき這いずるように創作を続けてきましたから。
渾身のwebデビュー作で挑んだコンテストに、惜しくも最終で残れず落ちた14年4月のあの悔しさは、かくしてようやく解かれました。長かった。
これはなんとしても物理書籍を市場に送り込むまで頑張るしかありません。
さて。ここまで読んで聡明な方はおそらく気づかれたかと思います。経験したから言えることですが、こうしたコンテストで入賞者が発表当日に初めて結果を知る、ということは恐らく ま ず あ り ま せ ん。
つまり「何かある」場合は大体ちゃんと連絡が来るのです。なので、とにかくそれっぽい時期になったらこまめにメールチェックをして、朗報を逃さないようにしましょう。イイネ?
……実は私、今回危なくやらかすとこだったのです。カクヨムからの連絡メール第一報を見落としたらしく、最初に気が付いたのが「重要なご連絡」の再再送(傍点つけたい感じの何か)。「再送」時点での着信から実に14日ほどが経っていたという体たらくでした。やっべえ。最初のメールはいったいいつ来てたんだ。いまだに受信フォルダの中に当該のメールが見つからぬ。
まあ幸いにしてきちんと連絡がついて、結果を知り、編集さんとのコンタクトをとることができたので結果オーライオーライなんですが、みなさんもホント気を付けてください。私のようなリアルぼっちの社会生活不適合者でも、たまにはスパムや登録してるオンラインゲームの広報以外のメールが来ることもあるのです。
……あるのですよ!(; ・`д・´)
で、ここからが本題なのですが――そんなわけで。
本作の執筆にあたって私がどういうプロセスを踏んだかとか、コンセプトの中核に在ったものとか発想の過程とか、そういうことを覚書として今後エッセイの形でカクヨムに上げていこうと思います。
SFジャンルはここ数年位の短期間に爆発的なブームが来ていたりとか、書籍化デビューが次から次に輩出、といったようなことはまあありません。ですから勝利の方程式といったものはまだ到底確立しえないでしょうし、そもそもケースごとの個別性が強くてあまり参考にならないかも知れないとは思うのですが。
それでも叶うことならば私の創作におけるこだわりや気づきが誰かの肥やしになって呉れれば嬉しいな、と。