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たとえ話なのですが

あなたはカクヨムで作家をしています。ホラー小説を書くのが好きなんです。
でもホラージャンルにはすでに有名な作家がたくさんいて、あんまり読まれないし評価もそこそこ。
でも執筆作業自体すごく楽しくて、あなたは毎日生き生きと活動していました。

カクヨムで需要のあるジャンルは異世界ファンタジーなのですが、あなたは好きではありません。
あるとき、そのジャンルで作品を書かなければならない状況になりました。
あなたは転生とかスキルとか悪役令嬢とかエルフとか全然興味ないので、考えるのはとても苦痛。
苦労してなんとか書き上げましたが、自分ではこんなん絶対おもんねーやろという出来でした。

しかしその作品がめちゃくちゃ高評価。
あなたはホラー小説作家というより異世界ファンタジー小説作家という見られ方をするようになりました。
あなたはホラーが好きなので、ホラージャンルはアイデアがたくさん出てくるしスラスラ書けますが、好きでもない異世界ジャンルは無いアイデアをひねり出したり読者ニーズを意識したりと、執筆にはとても気を張らなければなりません。
書いている内に慣れてはきますが、疲れるし、やっぱりあんまり楽しくないなあというのが正直な所感です。
それでも書けば必ず評価がつき、異世界ファンタジー小説作家としてのあなたの実績になっていきます。

あなたはまわりからあなたの書く異世界ファンタジー小説をもっと読みたい、書いてほしいと切望されています。
ホラー小説を投稿していたときより異世界ファンタジーを投稿するときのほうがリワードも多いです。
コンテスト用にホラー小説を発表しても、これを異世界に絡めることってできますか? と言われたり、あなただったら異世界ジャンルでなら賞が取れるのにホラージャンルで勝負するなんてもったいない、とわざわざ言われたりします。

一度にふたつのジャンルを並行して書くことはできないとします。
どんなジャンルでも執筆には労力と時間がかかります。
であれば、あなたは次にどんな作品を書きますか?
好きでも楽しくもないけど周りから求められていることをしますか?
周りからは求められていないけど楽しくて好きなことをしますか?

4件のコメント

  • 貴由さん、おはようございます。
    読んで、あぁ~と思わず頷きました。ちょうど今、ちょっとやってみよーと軽い気持ちで書いた短歌連作の☆の数が、私の看板作品であるはずのシリーズをあっという間に超えていっちゃったもので……。(^^;
    だからこういうこと考えちゃうの、すごくわかります。
    と云いつつ、前提部分で私はこれ、ないなーと思うところも多かったので、それぞれについて答えをだしてみました。


    ▪ 好きではないジャンルを苦労して書きあげたが、自分でおもしろいと思えない→自分で納得のいかない作品は公開しない。というか、おもしろいと思える段階までプロットを詰めないと書き始めすらしない。

    ▪その作品が高評価、望まないジャンルの作家と見られるようになる→それ自体はありがたいことと受けとめる。で、「本業」の作品の宣伝をする(笑)

    ▪好きでもないジャンルは執筆に気を張る→執筆に気を張るのは自分の好きなジャンルでも同じ。むしろ自分の書きたいもののほうが拘りが強いぶん、準備に時間をかけて丁寧に書くと思う。

    ▪異世界ジャンルでなら賞が取れるのにホラージャンルで勝負するなんてもったいない→賞を取るために書いてない。


    というわけで、貴由さんのお聞きになりたい答えではないかもしれませんが、私なら、周りから求められず、誰ひとり読んでくれないとしても自分の書きたいものを書きます。
    仮に必要に迫られて好みでないものを書くにしても、小ネタ的に自分の好きな要素をこれでもか! というほど織り込むと思います。これ、舞台が異世界なだけでいつも書いてるのと一緒やんww って呆れられるかもしれません(笑) っていうか、異世界でホラー、ふつうにできる気がしますけど……うーん、私が異世界ものを知らないからそう思うんだろうか。。。

    ま、プロの作家なら読者のニーズにあわせた作品が書けるのかもしれないですが、そんな力もないですし、器用でもないですから。自分が楽しんで書いた、自分でおもしろいと思える作品じゃなきゃ、他の人が読んだっておもしろいわけないだろうと思うのです(合う合わないはありますが)。
    こんな感じです。長々と失礼しましたー。
  • おおー、面白い。キユさんの問いと、千弦さんの回答、両方読めてお得な近況ノートです♪

    私は修行中の身なので、あまり自分の趣味じゃないものでも力試し的に書いてみたりしてますが、その条件なら楽しくて好きなほうを選ぶと思います。
    ただし、経済的に困窮していなければ……。
    まず先立つものが必要だったら、自分の好みは置いといて金稼ぎに走ります(笑)
    生活に困っていなければ、精神衛生上、絶対に好きなほうを取るべきです。無理をしているといつか壊れますからねー。
    周りから求められるものより自分が求めるものの方が大事です!
  • 千弦さま
    確認遅くなってすみません、コメント嬉しいです!

    私のような者のしょーもない悩みに丁寧に答えてくださってありがとうございます。千弦さまの作品づくりに対するこだわりや真剣さが伝わってきて、ますます尊敬の念が深まりました。
    自分が納得するまで考えて書き切る、という部分にとても共感します。私は書きたいという勢いのまま見切り発車で始めてしまうことも多いので、しっかり段取りをして執筆される作家さんは憧れです…!

    書きたいものを突き詰めるからこそ良い作品も出来上がるのでしょうね。良し悪しに読者を意識しないのであれば自己満足じゃん、と言われたらそれまでですが、プロではないのでむしろ好きを蔑ろにしては創作の意味がないですよね。

    あと、千弦さまの短歌はほんと唯一無二のすばらしい作品なので、評価が集まるのは当然だと私は思います(⁠≧⁠U≦⁠)
    カクヨムはSNS的な側面が強く、読者と作家(作家同士も)が近いので、芯のある作家さんにこそ人が集まるように思います。ただすでにお馴染みさんで交流が固まっていると気軽に足跡を残しづらい雰囲気もあるので、短歌コンテストみたいなイベントがきっかけとなって普段交流のない人や分野にも気軽に触れられるのは素直にいいことだなと実感しています。

    かくいう私も長らくヨム活から離れていて、千弦さまの短歌作品にコメントでお邪魔するのにも勇気がいりましたが、他ならぬ作品のパワーが背中を押してくれました。内容のリアル感というより、作品自身がそこで息をしているような生の感覚があって、それは千弦さまのどの作品にも通ずるものなのかなと思いました。
    とはいえ千弦さまの代表作シリーズはどれも大作で、一度にたくさんの文量が読めない自分はなかなか一歩踏み出せずにいます……初心者はどこから読むのが一番入りやすいですかね?
    また教えてください♪

    こちらこそ長々と返信してすみません。
    コメントありがとうございました(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)
  • こよみ様
    コメントありがとうございます!

    修行中だなんて、どんなジャンルでも自由自在に描き出すこよみワールドの創造主がなにをおっしゃいますか(⁠≧U≦⁠)
    こよみ様、そして千弦さまが寄せてくださったコメントを拝読して、作品づくりに対する飽くなき好奇心や偽りのない姿勢こそ、読者を強烈に惹きつける魅力となるのだと改めて知ることができました。
    こんなすてきな作家さん方に悩みを聞いてもらえる自分はなんて多幸者なんだろうと思います(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)

    私の現状は仰るとおり経済的不安があるので、悩む余地はないとわかってはいるのです。慣れてしまえばそれまでだし、きっと自分は慣れることもできると思います。
    誰しも好きなことだけして生きていけるわけではない、そもそもこの悩み自体が贅沢なことだ、と心の中で自分を叱咤激励していますが……嫌だなあと駄々をこねる自分もいなくなってくれません。

    でもそういった体裁や得意不得意よりも、自分の求めるものがなんなのかをクリアにすることが大切なんだと気づきました。
    おかげさまで前向きな気持ちになれそうです。
    こよみ様の言葉にいつも心が温かくなります、いつもありがとうございます(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)
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