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私の中の「異世界ジャガイモ問題」が解決しました。


いつもお読みいただきありがとうございます。
星やハートやブクマもいただけて、本当にうれしいです。

それからレビューもいただいていたんですね。
ありがとうございます。
気が付くのが遅くなり申し訳ございません。
3か月近くも気が付いていなかったなんて、ひどすぎますね。

私の話が他のライトノベルに比べて、かなりハードなのは自覚しています。
私には「チートで最強」や「お気楽スローライフ」は自身の性質上、書けなかったんです。
ちょっとソフトな話にする気だったんですけどね。
でも渾身の力を込めて書いていますので、これからも読んでいただけると嬉しいです。



それでは本題の『異世界じゃがいも問題』です。

私は自分の作品を時々読み返しています。
1つは内容確認のため、もう1つは今皆様から感想をいただいていないので誤字脱字慣用表現のおかしさなどをチェックするためです。

そして毎回見つかります。
申しわけございません。
それで最近は予告なく修正させていただいています。


そこで先日書いた『君は輝ける一番星』を読み返したところ、私はその中にじゃがいもの話(一言ですむような内容)を書いたのですが、「じゃがいもは異世界にあっていいのか? ジャカルタもないのに」という話をふと思い出したんです。


私自身はあんまり気にしていません。
例えば、作家が異世界ものを翻訳したと考えたらわかりやすいでしょうか。

じゃがいものようにでんぷん質の多いおいしい、でも芽や緑色になった部分に毒がある芋があって、見た目もほぼ同じものを仮にパーテルにしてみましょうか。

そのままパーテルって書いてもわからないので、元の世界ではジャガイモのような芋と説明をかくのと、パーテルの部分をジャガイモって書くのとどちらがわかりやすいかって話です。

もしジャガイモと書くのがダメだとサツマイモ(地名薩摩)もダメですね。
とうもろこし(地名唐)も、唐辛子(これも唐)もです。
この唐とは大きく外国の意味なのですが、異世界にはない地名のはずなのでダメですよね?

そうだ、胡椒もですね。
胡はソグド人を中心に中国から見て西方・北方の異民族を指す字とウィキペディアにありました。
つまり異世界にない地域の言葉です。
そうなると胡瓜もですね。

ですがあんまり主義主張を持つほどでもなかったので、思い付きで『君は輝ける一番星』の中でじゃがいもをポメロという名前をあてました。
ちなみに柑橘系の果物にありますが、異世界ですから。

その後スイセンとニラを出して、ニラだけスアと当てました。
これもこちらではスアベオレンスという多肉植物の略名だそうです。
まぁ異世界ですから。

実はスイセンも別の名前を付けたんですよ。
ただ字面的にうるさいなと思ったから消したんです。
ちなみにリンランとつけてました。
これも調べたら胡蝶蘭の名前にあるそうです。
名付け難しい。


ここまではいいんですが、バラはバラのままにしてしまったんです!
それでいいのか?と自問しました。

でも私はここでふと思ったんです。
モンゴメリの名作『赤毛のアン』の中で、「バラはバラって名前じゃないとあんなに美しく香らないと思う」というようなセリフが確かあったと思うんです。


でも本当はその逆で、私たちはバラと聞いただけで、あの美しい香り高い花を思い浮かべます。
思い浮かべるのが一重の野ばらから大輪の八重咲の赤い花まで、その人によって違うでしょう。

ですがどの人もあのバラ科バラ属のあの花を思い浮かべるはずです。


物についた名前というものは、人類が長い時間をかけて共通認識できるほど大事に使われてきたものすごい価値の高い宝なんです。

ここで私がバラの名前を別の名前にして(元の世界はバラのような花)なんて書いたら、なんと興ざめでうっとうしいことでしょう。
しかもお互いの思いを伝えあう大事なシーンに入る直前のセリフでも使っています。
ここで説明文を入れて、気持ちを落とすなんて私にはできません。

そこで思いました。



結論→ 無理をして名前を付けるのは、異世界にしかない特別なものだけにしよう!



じゃがいもに別の名前をつけて、皆様に浸透するまで「(元の世界ではじゃがいものようなもの)」をつけて話の流れを止めるよりも、宝である日本人の共通認識「じゃがいも」を使ってわかりやすい方がはるかにいいです。

どうしてもジャカルタが気になるなら、ポテトを使われるとよいでしょう。
これも日本人に共通認識があります。
フランス語だとポムドテール(大地のりんご)、もうわかりにくいです。
ドイツ語(カートッフェル)、スペイン語(パタタ)、イタリア語(パタータ)、もっとわかりにくいです。


新しい言葉を作るということはものすごい労力と時間を有します。
流行語という形で現れては、消えていきます。
それでも残っていくものこそ、人々に愛されて使われてきた証拠なのです。

例えば、
さぼる(サボタージュ:フランス語で労働者の破壊行動から出来た言葉)。

バイト(アルバイト:ドイツ語で労働を意味します。でもバイト行ってくるっていいますよね)。

エッチ(H:1960年代ごろの女子大生が使っていたhenntai(変態)を表す隠語が転じて性行為を表すようになった。広まったのは明石家さんまさんがストレートな表現を避けるためにつかったからだそうです。さんまさん、すごいです!)。


この中でも「さぼる」は、異世界ものでも普通に使っていませんか?
由来を考えたら、フランス語だし意味が違うからおかしいになりますよね。

そうなってきたら主人公(仏教用語)、油断(仏教用語)、相づち(日本刀用語)などなど数えきれないほどありますね。

よく話題になるサンドウィッチ(イギリスのサンドウィッチ伯爵が由来説あり)、ハンバーグ(ハンブルグが由来)などもそうなります。

ですが日本人の共通認識を使えば、この一言でその料理を思い浮かべることが出来るんです。


私はミネストローネ(イタリア語)を作中使ったことがありますが、トマト味の野菜スープって書いてもよかったんですよ。
あっ、すでにトマト(アステカ語のトマトゥルが語源)がダメかな。

それは横において、ミネストローネは具材を同じ大きさに切ることが重要で、調理実習でエリーがマリウスにそう切ってくれと言うシーンを出したことがあります。
「ミネストローネ」の一言で済ますか、と「トマト味の野菜スープは火通りを均一にするために具材を全て同じ大きさにしなければならない」と説明を加えるか。

テンポはどちらがいいか、読みやすいのはどちらか。
お好みでしょうが、私は「ミネストローネ」だと思います。
すべての日本人が飲んでいるとまでは言いませんが給食にも出ますし、だいたいはわかるだろうと判断しました。


何度も言いますが、読者の皆さんのほとんどが日本人で、すぐ理解できる共通認識の言葉はすばらしい宝なんです。
それを使うことで力を入れる必要のないところで説明文に時間を費やすより、小説の内容に力を費やした方がいいと思います。
少なくとも私の場合はそうです。


それを他の方に強要しようとは思いません。
逆に言えば今の表現ではダメだと思うところから、新しい表現が生まれてくると思います。
だからじゃがいもが気になる方は大いに気にしてください。
そしてすばらしい表現を編み出してほしいと思います。

それが日本人の共通認識までに成長したら、きっと私も有難く使わせていただきます。


そんなわけで、『君は輝ける一番星』のじゃがいもの「ポメロ」とにらの「スア」は消しました。

これをエッセイジャンルに載せようかちょっと考えたんですけど、私の近況ノートまで来てくださる方に知っていただけるだけでいいと判断しました。

あくまでも私の考えでしかないんですから。


長々と失礼いたしました。

それではこの辺で。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

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