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【時カタ】5.カタツムリはカタツムリ(4)アップしました

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【時を刻むカタツムリ】
5.カタツムリはカタツムリ(4)アップしました。


今回は、とてもセンシティブな話なので、とにかく何十、ではきかないくらい書き直しました。
これで良いのか、言葉のチョイスに未だに迷いもあります。当事者が見たら傷つくこともあるかもしれません。でも、なるべくリアルな実像に近付けたかった部分もあり、こうなりました。

ここは、もしかしたら、今後もマイナーチェンジはするかも知れません。




まずは、病気の解説を入れたいと思います。

和季が持っていた疾患は、性分化疾患という病気です。何千分の1レベルの出現率と言われていますが、個々によって程度や細かな分類がある他、センシティブな疾患であることから専門的な調査が殆ど行われておらず、さらにその疾患を持っていることを自らが気付いていない場合もあったりして、全体数が把握出来ていないことからも、認知度が低い疾患です。

また、近年叫ばれているLGBT関連の性自認(心の性別)や、トランスジェンダー(性別を決める染色体異常や身体の形質異常を持たない人で、体と心の性別が違う人)が抱える性同一性障害とは全く別物ですが、世間では、それらを一緒くたにされてしまうこともある、難しい面もあります。


今回、和季と祐の話は、和季の性分化疾患と祐のXジェンダーを区別することを目的として書いた話で、全く別物(似て非なるもの)になるようにエピソードを作ったのですが、伝わったでしょうか???

祐は、Xジェンダーという、男でもなければ女でもない、どちらかに偏らない中性、という性自認です。さらに、「好きになった人が性対象」という、パンセクシャル(全性愛)。恋愛対象は一見【誰でも】みたいに見えますが、そうではなくて、【◯◯◯◯(固有名詞)】という、毎回単体で決まります。ストライクゾーンが一見広いようで狭すぎるのです。
だから、好きになった相手の性別は一切関係ありません。結果だけを見れば、ある時は異性愛、またある時は同性愛…と、なりますが、そんなことはパンセクシャルの方にとっては、どうでもいいことなのです。

バイセクシャルの方は、男も女も、となるのですが、パンセクシャルの方とは好きになり方が違うのをご理解いただけたらと思います。

性分化疾患は、その昔、両性具有とも言われていたのですが、実際のところは、心の性別はXジェンダーになることはほぼ0だそうで、必ず、男か女、どちら一方になります。また、今は、性別が【その他】になることも無いし、性器の形だけで性別を判断されることはないそうですが、昔はそういうこと・時代があったのでしょうね。

和季のエピソードは、私がこれまで実際に知り得た知識や背景を、物語に合わせて作ったフィクションです。特定の誰かを示しているものではありません。予めご了承ください。

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さて、ストーリーの内容についてです。

今回、大きな秘密の告白がありました。
それぞれから、それぞれに。
和季は、性分化疾患という病気。父親の一存で、物心つく前に身体を女にしたが、心は男そのものだったこと。その後、ホルモン補充療法で女性として生きてきたが、女性になり切れないどころか、今でも男のままだということ。唯一の恋愛の対象が瞬(男)だったことで、性分化疾患特有の、性の揺らぎや戸惑いを感じたこと。

祐は、Xジェンダーという性自認で、パンセクシャル…しかも、一番好きだった人が、あの慧(次兄)だったこと。

それぞれ、和季は皮肉で、祐は心で、自分をカタツムリのように思っていたこと。

カタツムリの生態は、後々のフェーズでもストーリーに絡んできますので、また興味を感じてもらえたら嬉しいです。

それにしても、祐は、和季のこれまでの距離を取るような言動に、だいぶ怒っていましたね。
これから、ふたりがどんなふうに心を通わせて行くのかにも、注目いただけたら嬉しいです。

このフェーズは次で終わりです。


また明日、よろしくお願いいたします。

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