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『茶房カフカ』 裏ネタシリーズ 17.ウインナーコーヒー

レオシュ・ヤナーチェク(1854年ー1928年)はチェコ東部のモラヴィア地方出身の作曲家です。ドヴォジャークと重なる時代に活躍しています。チェコは西側のボヘミアと東側のモラヴィアで民族性が異なり、二地域の間には多少の軋轢があったりします。モラヴィア出身でモラヴィアの中心都市ブルノで活躍したヤナーチェクはボヘミアの中心都市プラハではなかなか評価されない時期もあったようです。

ヤナーチェクはモラヴィアの民族音楽を重視し、器楽曲にそれを直接的、間接的に取り入れたりしました。チェコ語のオペラも作曲しており、そこにはチェコ語の会話の抑揚が生かされています。

『霧の中で』(チェコ語タイトル: V mlhách)はヤナーチェクが音楽家としての先行きに不安を感じ、娘を失うという悲劇に見舞われた時期に作曲された四曲からなるピアノ曲集です。それぞれに副題はついておらず、速度指示がそのまま呼称として用いられています

『霧の中で』
1.アンダンテ
2.モルト・アダージョ
3.アンダンティーノ
4.プレスト

『霧の中で』全曲
https://www.youtube.com/watch?v=L-q2YcUBzSk

『霧の中で』からアンダンテ
https://www.youtube.com/watch?v=BYCDHG0yfNo


トキワの演奏したのは1.アンダンテ(約3分)です。重たげに、断続的に奏でられる不安定な音の連なりが、言いようのない不安を掻き立てます。

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