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『茶房カフカ』 裏ネタシリーズ 10.黒フサスグリのフルーツティー

【フィビフの『詩曲』】
音楽にはいくつもの楽しみ方があると思います。一人でリズムを取ったり、歌ってみたり、楽器を演奏してみたり。複数人で合唱や合奏をしてみたり。人の歌や演奏を聞いてみたり。

録音の技術が発達してからは、音源を入手し、気軽に演奏を聞くことができるようになりました。何か別のことをしながら音を聞き流すのもまた楽しみ方のひとつだと思います。

ただ、音のみの音源と音を作り出すものたちの映像付きの動画とでは、その音への興味のわきかたが変わることを最近痛感しています。これが演奏会に行って生演奏を聴くとさらに変わるのですが、それはさておき、音にそれが作り出されるときの映像が加わると、聴覚刺激に視覚刺激によって惹起されるイメージが加わるので、新たな世界が作り出されるのは当然と言えば当然かもしれません。

それは音の世界を純粋に楽しんでいるのとは違うと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はもともとの音楽は総合芸術に近いんじゃないかと思っています。音を作り出す人や物を目の前にして、それらの動き、作り出される音、振動、場合によってはその時の天気、気温、日差し、におい、楽器の手触り、そんなものすべてが合わさって心に訴えかけるものが音楽、ということで。そう考えると、耳が聞こえなくても音楽は楽しめるということに繋がりますね。

実際、音楽愛好家だって、大好きな演奏の記憶は、ホールのにおいや座席の柔らかさ照明の色などの記憶とともに格納されていませんか? 知っているミュージシャンの演奏だと、音楽を聴きながら演奏の映像を自然と思い浮かべていたりしませんか?

すみません、本編とあまり関係のない、たいそうな御託を並べてしまいました。


今回は、映像ありの『詩曲』のピアノ演奏のリンクをご紹介いたします。「体が傾ぎそうなほど艶めかしい」が伝わると幸いです。

『詩曲』/ズデニェク・フィビフ作曲、ピアノ:Maureen Galea
https://www.youtube.com/watch?v=rRJw3kKSg9k



【黒フサスグリのフルーツティー】
写真は黒フサスグリのフルーツティ―です。黒フサスグリとはいわゆるカシスです。ポリフェノールたっぷりの黒い皮をしており、お茶にするととても美しい赤紫色なのですが、においは癖があります。

4件のコメント

  • 佐藤さん、ありがとうございますーー!(T_T)(T_T)(T_T)

    すいません、御礼を申し上げたくて、近況ノートにて失礼します!
    あんなに丁寧に「遍路X」の☆レビューを書いて頂いて、とても嬉しかったです、あうあうっ(T_T)(T_T)

    自分はこの作品を書き終えて、しばしの達成感とともに、ああすれば良かったこうすれば良かったと落ち込んでいる部分がありました。
    とってもとっても温かいレビューに感謝しかございません……!

    佐藤さんからのコメントを読んでいると、よく着眼点の鋭さに参ります。
    登場人物のことをかなり深堀りしてくださるので、自分の中でも相当に発見があります(実際に、コメントを受けてキャラの内省部分を変更したこともあります)
    あっそうか、この人はこんなことを考えているかもしれない、という気付きをよく得ます。
    改めてありがとうございます。

    話は変わりますが、「茶房カフカ」、いつも楽しみにしているお話です。
    話の展開、着地点が、今のところ想像できないので、どうなっていくのかワクワクしています。
    人物の名前が全員カタカナですね!
    なにか狙いがあるのかなぁ……と思ったり。
    街で「金春」という名前のお店を偶然発見して、コンパル? あれ? そういえば……、と「茶房カフカ」のコンパルさんに思い至った次第です(*´ω`*)
  • チューブラーベルズの庭さま

    こんにちは。わざわざこちらへお越しくださり、恐縮です。
    こちらこそ、ずしんとくるミステリを読ませていただき、ありがとうございました。

    ミステリは謎解き部分を考案し、書くだけで、一仕事だと思います。自分も書きたいけれど書けずにいますので (^^;) 長編をきれいにまとめられる、その力量は凄いなあとただただ感服です。

    でも、それ以上に敵わないなあと思ったのが、登場人物の雰囲気でした。みんな、念入りに練り上げられた柔らかな土を切り出して成形し、その上に繊細な色付けをしたようなイメージです。土台がもう私の書くものとは違うなあ、と。脱帽です。これはチューブラーベルズの庭さまの他の作品でも感じたことです。書き手の穏やかさがよい方向に現れているのだろうと拝察いたします。だから、登場人物に感情を添わせやすいし、物語に没頭しやすいです。

    レビューコメントには書けなかったのですが、キヨくんの言葉「ハンニン ミッケ」これをしばらく考えていました。優しくて、穏やかで、オカルトネタを喜んで追いかける子供っぽさを持ち合わせたキヨくん。その彼が無邪気に発した「ハンニン ミッケ」。相手がモリ―だったから何も考えずに送った言葉なのですよね。なのに、その後の悲劇的な展開のせいで、この言葉自体が悲劇を生むことになってしまいました。その皮肉にぞっとさせられました。

    この近況ノートをこれから読まれるかたのなかにも、『遍路X』をお読みになる方がいらっしゃるかもしれないので、これ以上の言及は控えますね。

    こちらこそ、ありがとうございました! 良い結果に繋がりますよう!!
  • チューブラーベルズの庭さま

    自作へのコメントへのお返事失念していました。せっかく書いてくださっていたのに!
    金春(コンパル)って名字としては比較的珍しいですよね。小嗣、﨑(崎)里ほどではないですが。そんな名前の喫茶店があると聞いて、私もわくわくしています。
    ちなみに、「金春」は友達の名字でもあり、色の和名でもあります。もうお気づきだと思いますが、登場人物には名字か名前(あるいは両方)に色を入れています。金春色はパステルブルーです。
    一部登場人物のみ、名前がカタカナなのは、ひとつは伏線で、ひとつは主要登場人物の強調、もうひとつはなんでしょう、カタカナにすることで出てくる独特の雰囲気をまとわせたかったからですかね。
  • 佐藤さん、ありがとうございます!
    恐縮しきりでございます(汗

    自分は殺し殺されの話をよく書きますが、その中で、佐藤さんのように、登場人物の心情をそっと汲み取ってくださる方がいらっしゃると、本当に嬉しく思います。
    「登場人物に感情を添わせやすい」と言われたのは初めてなので、今日の喜びのビールと一緒に飲み下しました!笑

    改めてありがとうございます!

    >>登場人物には名字か名前(あるいは両方)に色を入れています

    わー、本当ですね、全然、今気づきました!
    「常磐色」とか、セイジは「青磁」かなぁ……?
    青とか緑っぽい穏やかな色が多い印象です!

    あ、金春色は青と緑の間ですね!
    本当にすごく綺麗な色ですね。

    それにしてもこれはだいぶ楽しいですね、寓意な意味合いも勝手に想像してしまいますし、色を見ているだけでも楽しいです(笑
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