【フィビフの『詩曲』】
音楽にはいくつもの楽しみ方があると思います。一人でリズムを取ったり、歌ってみたり、楽器を演奏してみたり。複数人で合唱や合奏をしてみたり。人の歌や演奏を聞いてみたり。
録音の技術が発達してからは、音源を入手し、気軽に演奏を聞くことができるようになりました。何か別のことをしながら音を聞き流すのもまた楽しみ方のひとつだと思います。
ただ、音のみの音源と音を作り出すものたちの映像付きの動画とでは、その音への興味のわきかたが変わることを最近痛感しています。これが演奏会に行って生演奏を聴くとさらに変わるのですが、それはさておき、音にそれが作り出されるときの映像が加わると、聴覚刺激に視覚刺激によって惹起されるイメージが加わるので、新たな世界が作り出されるのは当然と言えば当然かもしれません。
それは音の世界を純粋に楽しんでいるのとは違うと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はもともとの音楽は総合芸術に近いんじゃないかと思っています。音を作り出す人や物を目の前にして、それらの動き、作り出される音、振動、場合によってはその時の天気、気温、日差し、におい、楽器の手触り、そんなものすべてが合わさって心に訴えかけるものが音楽、ということで。そう考えると、耳が聞こえなくても音楽は楽しめるということに繋がりますね。
実際、音楽愛好家だって、大好きな演奏の記憶は、ホールのにおいや座席の柔らかさ照明の色などの記憶とともに格納されていませんか? 知っているミュージシャンの演奏だと、音楽を聴きながら演奏の映像を自然と思い浮かべていたりしませんか?
すみません、本編とあまり関係のない、たいそうな御託を並べてしまいました。
今回は、映像ありの『詩曲』のピアノ演奏のリンクをご紹介いたします。「体が傾ぎそうなほど艶めかしい」が伝わると幸いです。
『詩曲』/ズデニェク・フィビフ作曲、ピアノ:Maureen Galea
https://www.youtube.com/watch?v=rRJw3kKSg9k【黒フサスグリのフルーツティー】
写真は黒フサスグリのフルーツティ―です。黒フサスグリとはいわゆるカシスです。ポリフェノールたっぷりの黒い皮をしており、お茶にするととても美しい赤紫色なのですが、においは癖があります。