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『茶房カフカ』 裏ネタシリーズ 5.エルダーフラワーのハーブティー

【エルダーフラワー】
エルダーフラワーは日本ではセイヨウニワトコと呼ばれています。チェコ語ではbez(ベス)です。五月から六月にかけて咲く小さな白い花を乾燥させたものがハーブティーとして利用されます。紫の小果が円盤状に集まって結実しますが、その房をフライにして食べることもあるそうです。生でも食べられますが、やや酸っぱいです。
プラハでベスを原料に加えて醸造したビールを飲んだことがあります。「花のビール?!」と驚きましたが、淡い黄金色で軽い口当たりのとてもおいしいビールでした。
写真はエルダーフラワー入りのチェコのハーブティーです。


【詩曲/ズデニェク・フィビフ作曲】
ズデニェク・フィビフ(1850 - 1900)はチェコ共和国のフシェボジツェ村出身の作曲家です。スメタナやドヴォジャークと同時代に活躍し、チェコ国民楽派の創成期を築きました。
トキワが演奏した『詩曲』は、もともと『気分、印象と追憶』(Op. 41, 44, 47, 57)という全376曲(!!)からなるピアノ曲集のなかの一曲(Op. 41-139)で、『ジョフィーン島の夕べ』というタイトルが付けられていました。この膨大な曲集はフィビフが晩年親密な関係にあった18歳年下の教え子、アネシュカ・シュルツォヴァーとの恋愛日記として綴られたものです。美しく、情感豊かな曲が多いのもうなずけます。
この『ジョフィーン島の夕べ』の旋律は、のちに管弦楽曲に用いられたり、ヴァイオリンとピアノのために『詩曲』のタイトルで編曲されたりし、フィビフの作品の中で最も知られるものとなりました。本作では混乱を避けるため、ピアノ演奏についても『詩曲』として取り上げています。
ここでは『詩曲』の演奏のリンクをご紹介させていただきます。この音源は私が聞きあさった中では豊かな情感が上品にまとめられた、もっとも端麗な演奏です。一分半のごく短い演奏ですので、ぜひ聞いてみてください。

『詩曲』
https://www.youtube.com/watch?v=c0HGOz6-0HI


【手】
手フェチのヤマシロさんを描写する――というかその気持ちになる――ために、「美しい手」を探した結果、たどり着いたのが指揮者の手でした。いや、ほかにたくさんあるとは思いますが、「神経の行き届いた動きをする手」が「はっきりと映像に収まっている」という点では、指揮する指揮者の映像がうってつけでした。
いろいろ見てきたなかで、手フェチの心をぐいとっとつかむ(であろう)手の映像をいくつかご紹介します。

Vasily Petrenko 指揮
https://www.youtube.com/watch?v=JUk0WZVCnk4&t=1010s

川瀬賢太郎 指揮
https://www.youtube.com/watch?v=RAYZoGCrxy8&t=3027s

西本智実 指揮
https://www.youtube.com/watch?v=ggcfUOol5fE&t=2317s

6件のコメント

  • そういえば、昔、広島大学で博士を取ったスロバキア人のポスドクがいました。彼は、チェコに対してかなりの敵対心を持っていて、チェコ人は、ナチスに協賛して、スラブ人であるスロバキア人を一緒になって虐殺したというホームページを学科のホームページにリンクしてしまいました。それを見つけて教室会議で報告したら、私が内容をチェックして来いと言われました。内容は、中国や韓国が、日本が戦前にやったと言っている内容に似た様なことをチェコはスロバキアに対して行ったというものでした。もちろんリンクは消去しました。政治的なものは禁止となりました。
  • @fumiya57さま

    こんにちは。こちらへも書き込みをありがとうございます。
    チェコとスロヴァキアはどちらも大国に翻弄されてきた国ですが、そもそも別々の歴史を歩んできていますからね。民族は同じというところが、かえって互いの敵対心をあおってしまうのかもしれません。チェコスロヴァキアがチェコとスロヴァキアに分かれたのもその軋轢が解消できなかったからなのでしょう。でも、だからといって、大学の学科のホームページに政治的色を付けてしまうのはやりすぎですね。そういうことをすると、真面目にその問題に取り組んでいる人々に迷惑がかかるだけだったでしょうに。
  • 佐藤宇佳子さま

    詩曲、拝聴しました。
    譜面上、アルペジオ記号から私の体温は上昇し、ある種の高揚感を覚え、終始しました。
    美しい旋律、郷愁が蘇る心地です。

    Vasily Petrenko 指揮のみ拝聴しました。
    マエストロ、左手の五本の端々に宿るのは旋律の魂なのか、淀みなく流れる川のようにそれらをつなぎ合わせる所作が、譜面を理解できない私にとって暗号でしかない先の芸術性に、私には特別な意味として心に迫る印象として残りました。
    これから本編を拝読します。
    よろしくお願いします。
  • 刹那さま

    こんにちは! リンクの音源や動画にもあたってくださり、とても嬉しいです。
    詩曲はこの物語のテーマ曲のひとつで、この先にも繰り返し登場します。
    Ptrenko氏の指揮、独特な美しさがあります。手がまるで別の生き物のようにくねくねとうごめくのがおもしろいです。他の二人の動画も、それぞれに異なる手の動きの美しさがありますので、機会があればぜひ!
    いつもリアクションいただき、ありがとうございます!
  • なるほど!手フェチの好きな手として指揮者の手!わかりやすいです!!(私の手はこんなに繊細ではありません笑)
    確かに指揮者って手が美しいですよね……手も表現の一つになってるといいますか!
  • ジロギンさま

    こんにちは。あらら、もうご覧くださったのですね!
    指揮者の手の動きの美しさに最近はまりました。まさに、手を含めた体の動きすべてが、演奏の一部となっていますよね。これは確かに音だけじゃなくて、映像も見たいわ、という気になります。
    もちろんほかにも美しい手、美しい動きの手はあります! ただ、簡単にご紹介できる映像がなかなかないんですよね。そういう意味ではオケ、最強でした。
    ジロギンさまの手、気になりますね。ふふふ。
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