物書きに復帰してから映画カイタイを中断して数か月。はっきりわかったのは映画は二回以上観なきゃダメってことでした。
あれからいくつ映画観たっけ。人情ドラマ系が多い気がします。やっぱそっち方面好きなんでしょう。『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』『フォレスト・ガンプ』『ビューティフル・マインド』『ブラッド・ダイアモンド』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』などなど。ディカプリオとブラッド・ピットとトム・ハンクス。どれもよかった。
人間ドラマ系ではやっぱ『ダンサー・イン・ザ・ダーク』がすごいです。もう二度と観たくはないが、感情に訴える力は群を抜いています。
正直カイタイ文章は一周してパターン化してきたところがありました。90パー自分のために書いてましたが、展開についての発見はあれどストーリー構成的には『復習』が多くなっていました。
だからまあ頭の中で処理できてれば文章化しなくてもいいかと。自分の小説に時間割きたいしなあ。
そんなふうに考えて素材取り(映画を複数回観てセリフや場面をメモる作業)は止めていました。
でもね、そうすると一本一本に対する映画の印象が薄いことに気づいたんですよ。
あれ、主役の名前なんだっけ?
ストーリーは思いだせるけど映画のタイトルが出てこない。
しまいには何を観たかさえ忘れている。
ただ映画を楽しんでいただけになってるのでは? と。
んで最近観た『The Intouchables(邦題:最強のふたり)』というめちゃ最高な映画がありまして、これはさすがにセリフを文字起こししたいと久しぶりにワクワクしました。
社会性があって、ユーモアたっぷりで、考えさせられて、いっぱい笑えて、心があったかくなるすばらしい内容。とにかくダイアローグ(バディ二人の掛け合い)がいい。こういうのを会話の引き出しとして習得したい! なんて感じで久しぶりに同じ映画を三回観ました。
そしたらね、初見では目に入らなかったところがわんさか出てくるんですよ。いちばん印象的だったのは、バディ映画には必須の展開とされる『相棒がいなくなって初めてその価値に気づく』というのを、『仲違い』じゃない方法で演出した部分でした。
こういうやり方があるのか!
メカラウロコです。
笑いとシリアスの配分も絶妙。ドラマだけでもダメ。ユーモアだけでもダメ。バディ映画の新しいかたちで(私にとっては)、これをタイトルもおぼろげに素通りするのはあまりにもったいないよなあと改心した次第なのです。
映画10本観るのと同じ映画10回観るのって、自分にとっては後者のほうが価値があるようです。
主演のオマール・シーって人、確かドラマ『Lupin』と同じ役者さんだ。シーズン2も観てみようと思いました。