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22/12/2 小説が書けないから、日記を書こうと思った。

唐突に、日記を書こうと思った。特に理由はない。
無理やりこじつけるなら、小説に詰まって苦しいからだ。

日記を書こうと思ったのは12/1で、これを書いているのは12/2。
「書こうかな……」と呟いて、十年以上使いつぶしているベッドにくるまった。意志の弱さに笑うしかない。

誰に見せたい訳でもない。それでも、楽しんでくれたら嬉しいんだろうなと思ってる。
……飽きたらやめるかもしれないけれど。

今日は『すずめの戸締り』を見た。新海誠の最新作の。

壮大な音楽と共に、エンドロールが流れる。
きっと、天才を囲う天才たちの名前。
知らない人間の名前を眺めて、これは名誉なことなのだろうと思っていた。私が制作側にいたのなら、自信と満足感に満ちたため息を漏らすだろうから。

それでも、観客の私は苦しかった。

新海誠は、世間が望む新海誠像に溶けきってしまったように思えたのだ。
私は、彼の作品だと言の葉の庭が一番好きだ。だから、今作のきれいな絵、当たり障りのないみんなが笑顔の明るいお話、それを見てただ苦しかった。

新海誠は、自分をすくい終わったのだと思う。
だから他人を救おうとできたのだと、勝手に納得している。

これから先。
新海誠の新作が発表されたらいの一番に観に行って、腹の底で消化しきれなかったモヤを感じながら席を立つのだ。
薄暗い客席のなか、観客がもらす感嘆の吐息をBGMに。

私はまだ、誰かを救うために小説は書けない。
だからとりあえず、私は私を肯定してあげるような、独りよがりの小説を書いていたい。

まってて。

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