2022年5月6日。
最初に謝辞を。私作、『恋よりさきのその先で 雪見旅情譚』をご読了くださりありがとうございます。
インターネットにおける投稿で毎週一日のみと、お世辞にもテンポの良い作品とは言えないものでした。話も冗長で起伏がなく、プロアマチュア問わず書かれている小説の中でも物語、ストーリーに関してはあってないようなものでした。
それでも、読み続けてくれた方がいるということは知っています。私が私のために書き、他の誰よりも私が愛している作品を読んでくれてありがとうございました。
と。いうわけで。
改めまして、『恋よりさきのその先で 雪見旅情譚』完結しました。本当にありがとうございます。
切りよく100話越えて終えられました。意外に最後はさらりと。ひとまずきちんと完結させられることができて本当によかったです。終わる終わると言って終わらずここまでかかってしまいましたが、ついに本当に終わりました。感無量です。
書き終えて、実際の投稿日はまだ決めていません。おそらく六月の中旬頃になっているとは思いますが、一か月は先です。
このあとがきを書いている時は、書き終えてからもう数時間は経過した後です。すぐに書こうとも思いましたが、達成感と高揚感でそれどころじゃなかったので時間を置きました。
本当に、終わりましたね。
『雪見旅情譚』の一話投稿が
「2020/08/08 20:07」で最終話が予約中で
「2022/06/17 20時」となっています。
おおよそ二年。文章の書き始めを考えれば丸二年以上です。
無印の恋さきがカクヨム様の方で2017年10月に投稿し始め、恋さきという物語そのものを始めたのが「作成日:2016年 11月18日 19時29分」です。小説家になろう様の執筆中小説で書き始めました。
結局、シリーズ通して2016年11月から2022年の6月まで。五年と七か月ですか。何も触れていない時期はあれど、それでも五年です。
文字数は無印恋さきと雪見旅情譚を合わせて100万文字。
私は五年で100万文字の小説を書き上げたことになります。
我ながら、よく書いたものです。
無印を書き終えた時よりも達成感があるのは、きっと「雪見旅情譚」に学んできた小説の書き方というものをすべて注ぎ込んだからかと思います。
文章表現だったり、心情描写、風景描写だったり。
雪見旅情譚だけでも、二年書き続けていると手直ししたいところがたくさん出てきてはいます。でも、それは時間を置いてからやろうかなと思います。今は終わりを迎えた余韻に浸りたいので。
さてそれでは、ここからは雪見旅情譚の詳しいお話について少しだけ語らせていただこうかと。
舞台は作中でも出ていた銀山温泉。テーマはありません。旅をして、遊んで、帰ってくる。この一過程を小説に落とし込んだだけです。
内面描写については、とてもとても多く入れました。とりわけ今回は郁弥と日結花が完全な恋仲なので、その辺のいちゃつき具合をもう甘く甘く、どうしようもないほど甘くしました。あとたまにえっちにしました。
私が言うのもなんですが、この小説ほどラブリーな甘々描写が多い作品は他にないんじゃないかなと思います。女性視点の恋愛でここまで甘キュン系はそうそうないでしょうと、そこは自信を持って言えます。
あと、登場人物二人だけで話をここまで深掘りしているのもそう見ないんじゃないかなと。
他にも結構な割合でしんみりする雰囲気を入れたので、そういった意味での起伏はあったかもしれません。
恋人同士の喧嘩とか、ありふれたやり取りじゃなくて、郁弥と日結花だからこそできる心の深い部分でのお話。
本当は帰りの新幹線のお話とか山形駅周辺の観光のお話とか書く予定なかったのですが、気づいたらそこまで書いていました。勝手に二人で旅行を続けていたせいです。そういうこともあるでしょう。
裏話なんてものは特になくて、ただただ二人がより仲を深めて旅行を終えた、ということでしかありません。
そのうち結婚すると思いますが、まだ細かい予定はわかりません。二人のお話ですからね。
執筆中は雨音ばかり聞いていたせいで、終盤は特に雨が多くなりました。何故か日結花がめちゃくちゃに旅行を惜しむので、自然と物語もしんみりとした流れになり、最終盤はずっと雨音を聞いていました。そして米津玄師さんの「カナリヤ」という曲を合わせて。
雨音と「カナリヤ」のおかげで、とても綺麗に、ふ、っと笑みがこぼせるような終わり方にできたと思います。
自分でも胸の内がすっきりする、良い旅行の終わりになったと思います。本当に。
最終話での郁弥の愛言葉集は、さらっと読み返して文章拾ってきました。本当は日結花のモノローグの方が素敵な文章は多いと自分でも思っているのですが、それは日結花視点のものなので無理でした。しょうがないです。
こうしたあとがきを書くときに、「作者の見る最良の文章」的なものを列挙しようとも思ったのですが、結構大変そうなのでやめました。
それと、雪見旅情譚が終わった後の話についてですね。
これは途中の番外編や特別編で少し書いていましたが、一応続きは考えています。あの辺の番外編は基本パラレルワールドなのですが、それでも流れ的には辻褄合うように考えているので、雪見旅情譚の途中で出したお話に関しては流れが合うかと思います。
小説として投稿するかはまだ決めていないので、投稿するにしてもきっとかなり後になるかなと思います。
『恋よりさきのその先で』というお話は、これにていったんの閉幕です。
五年、100万文字。よくやりました。私。
郁弥と日結花の物語自体は私が死ぬまで続くので、終わりはないと思っていただいて大丈夫です。結婚とか子供とか。それに知宵とか胡桃の話もまだまだ全然していないので。声者やエイシィへの深掘りもしていませんし。話は色々あるんです。形にしていないだけで。
私の次作はまだ検討中で、三つほどジャンル別で考えています。どれかがある程度形になった段階で表に出すことになるかと。
次作の投稿もまだ先になると思うので、ひとまずはお別れですね。
数時間経ち、あとがきを書いていてようやく、燃え尽き感が出てきました。
やり切りました。だからあとがきが割と雑になっているかもしれません。まあ本文に載せていないのでいいです。
書き切って、やり切って。
私は満足です。とても満足のいくお話が書けました。銀山温泉はとても良い場所です。しんみりと、しっとりと、穏やかに落ち着けます。
改めてになりますが、『恋よりさきのその先で 雪見旅情譚』を読んでくださり、ありがとうございました。
これにて恋さきシリーズは完結となり、続きは未定です。十年以内には書くと思っていただければといったところで。なので完結です。もしかしたら他が書けなくてすぐ恋さきに帰ってくるかもしれませんが。その時はまたその時です。
以上、もう燃え尽きて疲れてしまったので、この辺りでやめておきましょうか。
それでは、長々と散らかったあとがきにお付き合いくださりありがとうございました。またいつか、別の作品でお会いしましょう。
読了、ありがとうございました。
2022年5月6日。坂水雨木。