『虚妄のドラゴンに夢を見る』
雑誌名は伏せまして、元ネタは「芥川龍之介」です。
見上げるのは私という名の凡人、飛ぶのは忘れられず消えることもできない名が残る人々がドラゴンになっている、という世界観です。
その中で、私の目の前にドラゴンが落ちてくる。
全ての誇り高い(凡人が持ち上げている高さを飛ぶ)人たちは武器などが刺さり、それこそ『評価・批判・批評』の残り香。
落ちていたドラゴンを見つけた私は「ちりとなって空に溶けるはずなのに」なのに目の前にいるので対話式の詩にしました。
そのドラゴンは、まあ捻くれているのです。世界に翻弄されてもみくちゃにされ、様々人が後付けで「自分」を作っていく。雁字搦めにされた鱗や爪の中から飛び出した「鱗」がドラゴンになり、私の前で落ちる訳です。
さあ、この鱗は芥川龍之介な訳です。捨てたし忘れられたいし、でも、お前が見つけたんだから世話しろよって介護かよって思いますが、本体から零れた鱗は、彼の本心か、もう一つの心か晩年の彼を想像しつつ最後の分は遺書から、ちょろりといただきました。