自由散文詩掌編『破壊』にある、
『骨』『貝がら』『紙束』の主役は曾祖母です。
祖母から聞き及んでいた話を形にしました。
時系列は、曾祖母は一回目に大切な夫を、二回目には長男を、三回目には行き場を失っていた長男の友を失い続けましたが、祖母の父である二番目の夫であった曾祖父と共に天寿を全うしました。
人望ある人だったと聞いています。
『骨』も実際、骨壺に貝がらが入っており、それで遊んだと祖母は言っていました。
『貝がら』は、よく遊んでくれた兄ちゃんの事を後々曾祖母から「なぜ、遊びにきてくれていたのか」を聞いたそうです。
そして『紙束』の意味を知ったと言っていました。
『紙束』は「兄ちゃん」が村長さんに頼んでいた「もしも」の時のお金で、それなりの額だったそうです。
曾祖母たちは、そのお金を田畑や村の復興に使い、他に振る舞い、決して己の肥やしにすることはありませんでした。
戦死した地は聞いてはいません。
貝がらが拾えるところだったのでしょう。