『小烏つむぎさん、この度はハーフ&ハーフ4 ご参加ありがとうございました。今回はお題もバラバラでいつも以上に大変だったと思います。まず走り終えた感想をお聞かせください』
―関川様、今年もこの企画を立ち上げてくださって、ありがとうございました。
無事完走出来た感想は(あ、駄洒落じゃないですよ)、
「か、書けたぁ! 楽しかったぁ!」
でした。
『今回は『往復書簡』で参加されました。作品は現代ドラマ仕立てでの連作でしたね。物語の統一感というか中編に仕立てるにあたって、ストーリーの組み立てには苦労したんじゃないでしょうか?』
―はい。大変でした。
今回の最初の往信を読んだ時どう頑張っても「時代物」に仕立てることが出来なくて、それならスタッフのたくさんいる職場にしようと思いました。
そうすればどんな変化球の手紙が届いても何とか返信できるのではないかと思ったからです。
最初は欲があって、8通の返信を返していくうちに何か問題が解決したり「実は」的な何かが表に出て来たり、そんなテレビドラマ的な展開が出来るといいなと思っていました。
が、2通目の『過去の男からの手紙』で諦めました。
いや、本当にそれぞれの「返信」を書くのに手いっぱいでした。
皆さんそのあたりうまく「返信」の後ろで「物語」を進めておられて、さすがだと頭が下がりました。
『作品では写真スタジオが舞台でした。メンバーはもちろん、仕事の雰囲気なんかも楽しそうで実によい職場でしたね。スタッフから流れる空気も穏やかで、毎度癒される空間になってました』
―ありがとうございます。
この写真スタジオのモデルは、田舎に来る前の職場です。
スタッフのキャラクターは多少誇張していますが、おおむねあんな感じでした。
『スタジオに手紙が迷い込んで、それを受け取ったスタッフの物語が展開する、という構成がすごく良かったです。スタッフの方々は、多彩なお題にそれぞれ向かい合って、返信を書いてと、大活躍でしたね」
―ありがとうございます。
個性的な元同僚を思い出しつつ、この手紙なら「彼女」が何とかしてくれそうだと割り振っていきました。
『昨今は手紙を書くという機会自体が減っていると思いますが、知らない人への手紙の返信を書くという体験はいかがでしたか? しかもキャラクターになりきって書くという書き方はおそらく初めてだったのでは?』
―はい。初めての経験でした。
でも「いきなり届く」知らない人の往信から、その書き手の物語を想像していくのは面白かったです。
それぞれの出題者様の求める返信とは違うかもしれませんが、何とかねじ伏せたぜ! という謎な達成感を毎回感じました。
『今回はさらに出題者としてお題パートの手紙も書いていただきました。依頼が来たときの心境はいかがでしたか?』
―来たわ! わくわく! です。
『前半パートを書くにあたって苦労したところはありましたか? 私からはハーフの前々回『飯テロ篇』で披露された時代物、というリクエストをさせていただきました。実は二編作ってもらったんですよね。その上で選ばせていただきました』
―4通目までの「往信」が男女間での文通が多かったのでその方向のものと、そろそろ違うテイストがいいのかなと親子間のものを考えました。
親子ものを選んでもらって、なるほどこっちかぁと思いました。
(まさか自分が一番返信に苦しむとは思っていませんでした)
『これまでのハーフ&ハーフだったら返信をする側だったと思うのですが、逆に出題者になった気持ちはいかがでしたか? またやってみたくなりました?』
―とても楽しかったです。
自分が作ったフィールドで参加者の皆さんが好きに遊んでくださるのは、クセになりますね。
また参加したいです!
『お題パートは史実を絡めながらの作品でした。参加者のみんなそれぞれ、歴史をたどって書いたのではないかと思いますが、どんな返信が来ると思ってましたか?』
―この菊池武光は実在の人物で、のちにお家再興を成し遂げているのでそのあたりを絡めて返信が来るのかな。
もしかすると一人二人は異世界に行ってるかもしれないと思っていました。
結局出っぱなし様、霧野様、ぷろとぷらすと様、銀鏡怜尚様のところの武光ちゃんが異世界やタイムスリップしていました。
どれも楽しそうでよかったです。
対して一帆様、涼月様、久里琳様、関川様の武光ちゃんは、「現世」でこれからのことを真剣に考えつつ「返信」してくれていました。
特に一帆様のところの武光ちゃんは最期の親孝行の手紙で泣けました。
『まさかこう来たか賞! これなら母も納得で賞! を選ぶとしたら?』
―ううう、難しいですね。
でもあえて選ぶのであれば
まずは異世界組では
霧野様です。
異世界に行っても戻ってからのことを考えて生きている武光ちゃんと、素敵なプロレスラー仲間にほっこりしました。
現世組なら
久里琳様
母の言葉に乗るのではなく、母の野望を諫めつつ自分は菊池のために働くつもりだと冷静な返信に、きっと母も「さすが我が息子よ!」と膝を叩く思います。
『ちなみに往復書簡を書く中で、一番ノリノリで書けた往信はどれでしたか?』
―「六通目 エンジェルちゃんからのメルマガ」です。
このメルマガをゲーム内のものとしようと思った瞬間から、楽しくてなりませんでした。
『小烏さんといえば、毎朝のノート投稿を楽しみにしておりまして、料理のレパートリーもさるものながら、盛り付けだったり、写真の撮り方なんかも見事だなととしみじみ思っております。ずばりこういうテクニックはどこで身に着けたのでしょう?』
―ありがとうございます。
「台所」をアップし始めてから写真を撮るようになったので全くの素人です。
でも義母目線で、どうやったら「美味しそうに見えるかな」と言うことは気にしています。
『ちなみに小烏さんのつくるおすすめ料理はなんでしょう? ポイントも含めて教えてください! 差し支えなければ作り方も!』
―えーと、えーと。
では帰省した息子の好物をご紹介します。
二日かけて煮込む「紅茶豚のコーラ煮」です。
材料 *豚肉の塊(バラでもロースでも可)
*白ネギの青いところ
*紅茶パック(豚肉の塊1個につき1パック)
☆コーラ1本(500cc)
☆醤油大さじ3~4
一日目*
鍋に豚肉カタマリとひたひたの水、ネギの青いところ、紅茶パックを入れて沸騰してから弱火で一時間煮込む。
冷めてから煮汁と豚肉をビニール袋に入れて冷蔵庫で一晩おく。
(脂を固めて取り除くため)
二日目☆
豚肉を厚めに切って鍋にいれ、昨日の煮汁から脂を取り除いて入れる。
ここにコーラと醤油を加えて1時間煮る。
ホロホロになったらお皿に取ってお酒とどうぞ。
<アレンジ>
紅茶煮にした豚肉のみをビニール袋入れて、そこに醤油、砂糖を加えて(焼き肉のたれでも可)よくもみ冷蔵庫で一晩おく。
翌日薄くスライスして、みじん切りのネギなんか乗っけてどうぞ。
(こちらは固めなので、義母には不人気です)
『最後の質問です。ハーフ&ハーフの楽しいところってどこだと思いますか?』
―やはり他では味わえない、主催者の関川さんはじめ参加者のカクヨムさんとの交流でしょうか。
出題者さんとの絡み、同じ課題を乗り越えた妙な連帯感。
他の自主企画では味わえない充実感がたまりません。
春になるとそろそろハーフの季節だなとうきうきしています。
『インタビューご協力ありがとうございました!』
こちらこそ、ありがとうございました。