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『世界を望めば、世界は我が手の中に』 第一部のあらすじ

 最南端の港町のパン屋の次女、フィオナ・ガードナーが七歳になったばかりの大祭を目前に控えた春の日。
 彼女が生まれた時に握りしめていた黒いウロコを、産婆のホーンばあさんから受け取る。
 ウロコを握りしめて生まれた少女たちは、オスしかいない竜族の花嫁となる。
 唯一の大陸の中心の竜の森にいる四竜族のウロコは、火竜ならば赤、水竜ならば青、風流ならば銀、地竜ならば茶。
 フィオナの黒いウロコは、千年前に一夜にして滅んだはずの世界竜族の花嫁の証だった。

 世界竜族の生き残りがいる。
 最後の竜王ユリウスを敬い続ける水竜族の長ライオスたちの提案により、フィオナは家族と別れ竜の森で育てられることになる。
 長たちの会議の結果、フィオナは竜の森の四竜族に守り育てられる。

 そして、フィオナが十五歳になった春の初月に、花婿の世界竜族の生き残りを探す旅に出た。
 四竜族の若者たちと、西の聖王国の姫君、北の帝国の女戦士の仲間たちとともに、第一の目的地、世界竜族が栄華を極めた黒い都を目指して――。

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