えーきち

えーきちさん、おはようございます。
早速詳細なご回答を頂き、ありがとうございました。
さすが印刷のプロ、とても分かりやすかったです。
印刷オペレーターという専門職は初めて知ったのですが、印刷機の操作からされるのですね。すごいです。

つばさ文庫、複数応募ですか。『モノクローム』、素敵なタイトルです。

　いえいえ、問題ありませんよ。
　そのものズバリ、印刷をする仕事ですね。
　他所様のページで宣伝するのもなんなので告知しませんでしたが、『ようこそ街の印刷屋さんへ』で印刷の仕事の事を書いているので、チラリとでも覗いてみてください。

　もちろん、直接質問して頂いても構いませんよ。
　よっほどの質問でなければ、全部答えられると思いますので。

えーきちさん、コメント返信ありがとうございました。革ジャン先輩、とても楽しく拝読しました。印刷についての説明に主眼を置いているにも関わらず、最後にパズルのピースがはまっていく感覚が素晴らしかったです。ああそうだったのか！　と。テーマ性もあり、力作でした。

さらに質問で恐縮なのですが。

１．
「本の中に見栄えの良い図やグラフを入れると高くなる」、という情報を読みました。これはやはり、見栄えの良いものを皆さん好まれるのでしょうか。
エクセルなど自作の図やグラフをそのまま貼ってもらう（これなら安いとの記載がありました）、というのは、かっこ悪いのでしょうか？

考えているのは（といっても作中の話ですが）、「菊型のハードカバーの本の中に、建物の設計図や町の地図の図表を入れる、」です。


２．カラーの写真ページを入れると、高くなるでしょうか？　
たまにありますよね、本の中に数枚、つるんとした紙にキレな写真が印刷されているもの。これをすると、コストはかなり上がるのでしょうか？

こちらで考えているのは、著者、町や建物の写真です。

まったく急ぎませんので、お手すきの時にご教示頂けましたら助かります。
お願いばかりで大変恐縮です。

　ちょうど、印刷の事を知りたいと思っていたオレンジ11様の意向にあった内容になっていたかなぁなんて。喜んで頂けたようで何よりです。
　そんな嬉しいお言葉や、素敵なレビューもいただけて、恐縮しております（笑


　さて、ご質問の答えですが、
『１．』は高くなりません。
　これは何かというと、組版（データの制作）が高くなる可能性がある、またはデザイン料が上がる可能性がある、というだけで印刷代には影響しません。
　もちろん自分でデザイン、印刷データを作るのでしたら印刷代だけなので、料金は変わりません。
　ただし、注意です。
　オレンジ11様はここまで考えていないと思いますが、建物の設計図や図表の場合、折り込みと言って、本の中に折り込んだページが入る事があります。
　週刊少年マンガ雑誌でも見かけると思いますが、最初のページの方にある広告ページや、広げるとマンガ本のページサイズよりも大きくなる簡易ポスターみたいなものですね。Ｚ折りって言うんですけど。
　印刷代としては若干、本当に若干金額が上がるだけですが、製本代が少し高くなるかと思います。
　ただし、金額の話になりますが、何冊印刷するのかが一番のキーポイントですかね。印刷物（完成された本を含む）は多く作れば作るほど、一冊の単価が安くなるので、多少金額が上がった所でそうそう問題ないと思います。
　これが百冊しか作らないとかでしたら、金額の上がり具合も多く感じると思いますが。

『２．』カラーページを入れると、カラーの印刷代分金額は上がります。
ただし、黒（墨）一色印刷よりもカラー印刷の方が高額です。カラーページが多くなれば多くなる程高くなります。一色いくらと考える単純計算だと、四倍。
　ただし、何ページもある本の金額として考えてくださいね。
　あくまで単純計算になりますけど、８ページ掛け２版で104ページの印刷をしたと仮定した時、本文の印刷は26版使います。
　この本の８ページ分をカラーに変更した場合、版の数は32版になります。
　料金は１版（1色）いくらですので、増えた分だけ金額が上がると思ってください。
　カラーのチラシは黒一色のチラシの四倍（単純計算）になります。
　これも上記の理由で、少ない部数ならかなり高く感じると言った所でしょうか。
　製本代金はあまり変わりません。
　紙代も変わりません。コート紙（つるんとした紙）は安いんですよ。
　あ、行政も関わってきているので参考までに。
　本を上質紙ではなく100％再生紙で印刷すると、凄く金額が上がります。再生紙は高額です。
　昔、どこかの行政機関で『この本は100％再生紙を利用しています』とエコマークを含めて出したのですが、実は上質紙で印刷されていて問題になったという話を聞きました。
　再生紙を使うと言うのはエコ推奨している機関に取って、かなりのステイタスなんです。それはそうですよね。私たちは環境のムダ遣いをしている、なんて言いたくありませんから。



　あと、事後報告で申し訳ありませんが、オレンジ11様の『ミュゲ書房』の話をエッセイに書いてしまいました。（私のページは読者が少ないので紹介にはなっていない）
　内容に問題ないと思いますが、ご確認の程、よろしくお願い致します。
『カク　ヨム　故に　我　あり』の『第13話　プロフェッショナルなアマチュア』です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886375027/episodes/1177354054890007820

えーきちさん、近況ノートにコメント、ありがとうございました。
私がさらっと書いたことから水沢印刷の背景など読み解いて頂き、こんなにしっかり読んでくださっているとは、本当にありがたいです。
「四千部の設備は残っている」の設定が良いように思われ、一人社員を増やすことにします。
今週は忙しかったのですが来週は平常通りのスケジュールになるので、週明けには直せるかと。いつもお世話になりありがとうございます。

　差し出がましいかなとは思ったのですが、やはり知って書いた方がオレンジ11様の世界が広がるかなと思いまして。ああいった、現実社会に突っ込んだ物語は好きです。今後も楽しみにしております。

こんばんは。水沢印刷の社員（三上さん・64歳で来年定年予定）を増員しました。差し出がましいだなんてとんでもない、教えて頂き大感謝です！
後で矛盾が出ることもありますし、何よりこういった細部をきちんとできるとでリアリティが出ると思いますので。

　三上さん・64歳で来年定年予定――これはまたリアルな（笑
　倒産する、または寸前の印刷所にはよくいる人員です。
　中には定年後も社員の「働きたい」に答えて、雇用を続ける会社もあるようですよ。

おっ、リアルでしたか！　廃業するときにクビにするわけにもいかないのでこの年齢にしました。
＞中には定年後も社員の「働きたい」に答えて、雇用を続ける会社もある
そうなのですね。