『|元興寺《がごぜ》』
・出現地域:奈良
飛鳥時代、奈良県の元興寺の鐘楼に現れたとされる僧の姿をした霊鬼。
『日本霊異記』によると、当時の元興寺には鬼が棲み着いていて、鐘楼に鐘を突きに行く童子が毎晩の様に殺された。そこに雷神の加護を受けた童子が入寺し、ある夜に『|元興寺《がごぜ》』を退治するべく鐘楼にて待ち伏せし、髪を引きずり回して退治した。頭髪を引き剥がされ、逃げ去った霊鬼の血痕は寺で悪さをした末に死んだ下男の墓に続いていたという。
『|元興寺《がごぜ》』の頭髪は寺の宝物となり、霊鬼を退治した童子は後に道場法師となった。