• ホラー
  • 異世界ファンタジー

妖怪画集第四十四頁【ぬらりひょん】

『ぬらりひょん』

・出現地域:岡山・秋田

 頭の大きな老人が籠から降り立ち、民家へと上がりこむ姿で描かれる。
 ナマズの様に捉え所の無い妖怪とされ、当時乗り物から降りる事を「ぬらりん」と言った事から『ぬらりひょん』と名付けたとも考えられている。また「ぬらりくらり」と摑み所の無い様から想起された名だとも言われている。
 人に害をなしたという記述は無い。
 妖怪達の総大将という設定と、図々しく人の家に上がり込んで茶をすすったりキセルを吸ったりして、家人が見掛けてもこの家の主人だと思い込んでしまうので指摘する事が出来ない、というのは江戸の時代の創作、誤伝である。
 しかし妖怪とは虚ろなものであり、伝聞によってその時代に合わせて流動的に形を変えるものである為、現在その様に広く解釈されているのならば『ぬらりひょん』の生態として否定する所ではない。それどころか、そういった摑み所の無さがまさに『ぬらりひょん』という妖怪を形容している様にも思える。

2件のコメント

  • ひょうすべの私が思うに『ぬらりひょん』は、隠居して少し認知症になった、大店のご隠居さん(元大旦那)ではないかと。

    大晦日に他人の家に現れるとも言われていますし、忙し大晦日の日に店から邪魔者扱いで追い出された、ボケたご隠居さんが他人の家に……そう考えたら、辻つまが合います
  • ひょうすべさんご無沙汰しております!
    ほう、その様な解釈は非常に面白いですね。確かに妖怪とはその様に連想されるものですから、私の後学の為にもまた考察などお聞かせ願いたいですね。

    確かに人様の家に勝手に上がりこむ可能性はその様な病の方ならありえますね。そして無下にも扱えないと……成る程面白いですね
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する