『ぬらりひょん』
・出現地域:岡山・秋田
頭の大きな老人が籠から降り立ち、民家へと上がりこむ姿で描かれる。
ナマズの様に捉え所の無い妖怪とされ、当時乗り物から降りる事を「ぬらりん」と言った事から『ぬらりひょん』と名付けたとも考えられている。また「ぬらりくらり」と摑み所の無い様から想起された名だとも言われている。
人に害をなしたという記述は無い。
妖怪達の総大将という設定と、図々しく人の家に上がり込んで茶をすすったりキセルを吸ったりして、家人が見掛けてもこの家の主人だと思い込んでしまうので指摘する事が出来ない、というのは江戸の時代の創作、誤伝である。
しかし妖怪とは虚ろなものであり、伝聞によってその時代に合わせて流動的に形を変えるものである為、現在その様に広く解釈されているのならば『ぬらりひょん』の生態として否定する所ではない。それどころか、そういった摑み所の無さがまさに『ぬらりひょん』という妖怪を形容している様にも思える。