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先輩がお話ししてくれたこと

つい今しがた、ある俳優のかたの講演を聴いてきました。
新しい大講堂のこけら落としとして、九段下のとある学園が卒業生として彼をお招きしたのです。

みなさんご存知の、カマキリのかぶり物をする名俳優です。

爆笑をいくつも誘う楽しいお話のなか、感動するおことばがいくつもありました。
いちばん心に響いたのは。

〜人生でいくつもある選択の時に、わたしはだいたい困難な方の道を選んでいます〜

そう。
登っているときに苦しいからこそ人生じゃないのか。
楽なのは人生を転げ落ちている時。

つい昨日、はてな匿名ダイアリーに
「何がしたいのか分からないまま人生が終わった」
という文章が載って注目を浴びているという記事を見ました。
それと正反対だなと思いました。

もちろん、逃げなきゃいけない時もあります。
休まなきゃいけない時もあります。
傷を癒す時も必要です。
そこいくと、カマキリ先生はエネルギーのあるひとなんだな、と思いました。
凡人にはムリくらいの根性にも思えます。

けれど、彼の出発点には、ある気づきがあったといいます。

「自分は他の人と比べて優れている、勝っていると思っていたけれど、ある時、じつはいちばん下なんじゃないかと気づいた」

凡人以下なんだと思うようになったとのことです。
歌舞伎役者の血筋だとか、母親が女優だとかそういうんではなく。
情に薄い、冷たい、だらしない、部屋片付けないなどなど、人間としていちばん下なんじゃないかと。
それが仕事をもらって生活していけるのは、感謝しかないと。

それからは、うまくいかなかった仕事が、徐々に良くなっていったそうです。

学園の後輩少年たちは、とてもいいお話を聴けました。

3件のコメント

  • 糸崎姉さん

    こんばんは!
    コメントうれしいです!
    そうですか。
    それはもしかしてカクヨムコンというやつですか?
    もしかしたら、短編で参加されてますか?

    わたしは、むかーしの短編を差し出しましたよ。
    8000文字ちょっとだったので、こりゃいいやと。
    改稿も2、3ヵ所だけで。

    もう、ズバリ楽な道を選んでしまいましたよ。悲

  • 糸崎さんはエネルギッシュですね。
    作家たるもの、どんどん書かないといけないのだと、わたしは思うのです。
    思うのですが、ネタが浮かばない。
    しぼり出そうというエネルギーに乏しい。
    あるいはアタマが固すぎる。

    うらやましいです。

    PS:ナダルさんの唯一無二っぽさ、大好きです。
  • 糸崎さん、こんにちは!


    いつもお読みいただき、ノートにもコメントいただき、うれしいです。
    マコトもよろこんでおります。

    そうですね。
    痛覚はケガを負ったことを知らせる重要な感覚ですし、嗅覚は安全な食べ物や、逆に危険なものも教えてくれます。
    また、フェロモンを感じて異性の居場所を知ったりします。
    温覚や味覚もちゃんと働いていますよね、生き物たちでは。
    うちのアリス(トイプー♀、4才になりました。プードルっぽくないヘアカットが特徴)は、寒い部屋にいても、いちばん温かいところを瞬時に察知してそこでうずくまります。
    食べられないものは、嗅ぐだけで放っておくか、口に入れても吐き出します。

    人間の5感も同じなのだと思います。
    鈍いか鋭いかの違いで(人間など霊長類は、花や果物の色を感じる種が生き残ったせいで、色覚がある一方、嗅覚は犬より相当にぶい)。

    嬉しい、楽しい、恐怖、嫌悪も、この5感の延長だと、わたしは思います。
    成熟した哺乳動物の反応なのだと思います。
    種によって、それが大きいか小さいかの違いで。
    現実世界で直面した課題に対する個の反応を、最大限に引き出すための機能なのだと思います。
    また、同じケースに当たった時にスムーズにかつ効率よく対処するために、感情は都合がいいのだと思います。

    また、サルや人間などは単純な反応としての感情ではなく、なにか別なものと結びつけて複雑にするのでしょう。
    おいしいものを誰かにあげると、誰かはよろこぶし、そうすると、自分も嬉しい、とか。
    加えて、人間の場合、5感や感情によって身体が反応して行動するのみならず、「意見」なるものを伴うことが多いですよね。
    さらに、人間はそれを遊びにしますよね。
    物語や、音楽や、映像や、乗り物や、競争で。
    楽しい、嬉しい、イヤだ、コワい、美しい、汚い、落ち着く、スリル満点……。
    そういう複雑化が、フィードバックでさらに感情をややこしくする。

    これは、抽象概念を扱えるほどに肥大化した脳に関係しているでしょう。
    と同時に複雑なコミュニティーにおいて生き残る集団は、複雑な感情を作り上げてきたのでしょう。
    なんか、進化論風ないいかたですが。笑
    進化論は神秘的で、検証もできないし、謎だらけです。
    ということは、感情についてのわたしの考えも、まゆつばです。

    でも、だいじょうぶ。
    マコトが考えてくれます。笑





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