タイトルは、史上初の将棋永世7冠を達成した際に、羽生さんが発した言葉。
AIが発達し続けるいま。
最高峰にいてさえも、過去の業績の価値を否定してまでも、なおみなぎる探究心。
謙虚で冷静で、雑念のない精神。
まるで偉大な哲学者のようです。
けれど、わたしはあの方に不思議な親近感を抱きました。
彼の中に見たもの。
それは、宇宙を見る科学者の視点です。
この大自然、大宇宙のことを、知れば知るほど謎は増えます。
つまり。
——本質的に、何もわかっていない——
小説というもの、物語というもの。
わたしは、その本質を、何もわかっていません。
読んで楽しめればいいんです。
書いて楽しければいい。
でも。
知りたい。