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読んだ

Xに手を出して案の定こっちを怠けてしまっておりましたので、先日ドラマを見て気になった伊与原新『宙(そら)わたる教室』を読みました。
面白かったー、のでネタバレ注意ー。






私はドラマを見て気になって原作を買った口ですが、こちら第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高校生の部)に採用された一冊となっております。

えーと、ざっくりあらすじを言うと、夜間定時制高校で科学部をつくって教室で火星を再現する青春ストーリーでございました。実にSF。でもちょっと実話。ちょっとというかモデルが実話。
学会なんかでは会員登録さえしていればわりかし何歳からでも発表できたりするんですが、そのなかでも日本地球惑星科学連合で催された審査選抜済みの高校生ポスター発表の部で提出された……という感じ。

舞台は東新宿、新大久保そばの問題山積み定時制高校、そこに通う学習障害もちの半グレと近しい生徒さんが担任教師の指摘と提案から知的好奇心の花を開かせ科学部に参加する……くらいまでがドラマの一話ですね。えねっちけーです。

横溝正史ミステリー大賞デビューだからか文体はミステリな感じのやや硬めやや軽め。260ページくらいなので2,3時間みれば読めます。科学部の話なので専門的な語もそれなりにでてくるため、苦手な人はそこだけ辛いやも。

さてお気に入りポインツ!
科学部でやる実験あれこれ。作者が地球惑星科学を専門とする学者なのでとってもワンダーです。好きな人は字を追ってればワクワクするはず。

お気に入りポインツ2!
主人公の教師。だけど補足事項があって、ドラマを先に見てるから窪田正孝なんです。めちゃ窪田正孝なんですよ。窪田正孝。

お気に入りポインツ3!
作中ほんの少しだけ出てくる大学の生々しい描写。オエってなるくらいリアル。人によっては似たような場面がフラッシュバックしかねない精度でした。


つづいて気になるポインツ!
舞台が東新宿の定時制高校なんですが、ザ・エンタメ盛りすぎ夜間学校。実はコレ最初ドラマを見たとき盛りすぎだろこれだからドラマはさあって原作にあたってむしろドラママイルド!
原作は夜間の中退者が半グレって夜間学校を薬物の販路にしようと未だ夜間に通う友達にって無理筋すぎる。どう考えても青山方面の全日制学生を狙うはずです。だってまあエンタメだからね。しょうがないね。

気になるポインツ2!
教室内の人物配置にものすごく既視感を感じたのは山田洋次の「学校」を思い出したからです。

そこで気付いた気になる3!
キャラ造形が全体にミステリ手つきなんです。デフォルメしたエンタメ。だいたいイメージは二十年くらい前の一般エンタメ不良校って感じです。一方でドラマはややヒューマン寄り。このへんは好みの問題か。


まとめ……ドラマも原作もどっちも面白いですが、私はヒューマンな雰囲気で定時制や工業高校が問題児ばかり的な描写されると「!?」みたいな記号を大ゴマに打つタイプなので、もうちょっとマイルドになってるドラマのほうが今のところ好みです。今後はわかりませんが。
そのへんの描写や科学知識に抵抗なければ原作もオススメできますし、原作を読むと窪田正孝で当て書きしたのかこれって気分になれます。

あとは……あとは……とりあえず、ウカガイ様を書くか……。

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