2023年12月から投稿していました、『メガストラクチャー』が完結しました。
https://kakuyomu.jp/works/16817330662057079055/episodes/16817330662057906438
『メガストラクチャー』は私にとって、はじめてづくしの小説でした。
現代ドラマ以外のジャンルを書くのも、日本以外を舞台にするのも、三人称で書くのも、最後まで書き終えていない小説を投稿するのも、すべてはじめてのことでした。
なかでもこれまでに書いた小説とのもっともおおきな違いは、自分の体験をベースに書くということが、圧倒的にすくなかったことです。
過去に書いた『チュニジアの夜』、『恐竜の街』、『月の裏側のダンスフロア』、『ターミナル駅と猫』、これらはすべて、自分が見たり聞いたりしたことを材料にして書いた部分がすくなからずありました。
といっても、私は援助交際デリバリーヘルスを経営したことも、地元の怖い先輩の彼女を寝取ったことも、嫌な先輩の彼女を奪ったこともありませんが。
過去に書いた小説が、ほとんど女性絡みかつ、その倫理観に首を傾げたくなる内容ばかりなことにいま気づき、思わず笑っています。
▼援助交際デリバリーヘルスのはなし『チュニジアの夜』
https://kakuyomu.jp/works/16817330654282562752/episodes/16817330654283656741
▼地元の怖い先輩の彼女を寝取るはなし『恐竜の街』
https://kakuyomu.jp/works/16817330655229254148/episodes/16817330655229360633
▼嫌な先輩の彼女を奪うはなし『月の裏側のダンスフロア』
https://kakuyomu.jp/works/16817330658042645322/episodes/16817330658042677981
▼唯一の良心『ターミナル駅と猫』
https://kakuyomu.jp/works/16817330664575939344/episodes/16817330664576020782
一方、『メガストラクチャー』は自分の体験に由来することがほとんどなく(ごく一部の会話くらい)、想像をふくらませにふくらませて書きました。
『メガストラクチャー』を書き切ったことで、自分に書けることの幅が広がったような気がしています。もちろん数えきれないほどの反省がありますが。
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自分が書いた小説についてあれこれと補足をすると、どこか言い訳じみてしまいそうな気がするので、『メガストラクチャー』が生まれた背景だけ書きたいと思います。
『メガストラクチャー』は、ロックマンX3というゲームのフローズン・バッファリオステージのイメージが出発点になっています。
カクヨムコン9に現代ドラマ以外のジャンルで参加しようと考えていたときに、たまたまプレイ動画を観ました。凍りつき荒廃した未来都市……そのときに、これでいこうと直感で決めました。
雪に閉ざされた未来都市の成り立ちを考えはじめて最初に悩んだのが、街の名前でした。
自分で考えた名前をつけるのがどこか気恥ずかしい。とはいえ名前をつけないわけにもいかない……。
いきなりつまずいた私は、街の名前をいったん仮称でエフとしました。言うまでもなく、フローズン・バッファリオのエフです。
次に仮称エフの成り立ちを考え、そこに住む人々と、物語を考えはじめました。再び私は悩みました。人々に名前をつけることに抵抗があったのです。
これまでに書いた小説も名前にはこだわらずに、読みやすさと覚えやすさのみを重視してきました。なんならこれまでに書いた四作の小説のうち三作にいたっては、主人公に名前をつけていないというという。
現代ドラマならばいざ知らず、現実の日本を舞台にしていない小説で登場人物に名前をつけることは、私にはまだできない……。
そこで、もういっそのこと仮称だったエフを正式に街の名前として採用してしまい、登場人物もすべて記号的にアルファベットで統一すればいいのではないかと考えました。
そこから、なぜ名前が記号的なのかを考え、物語の大枠がかたちづくられ(結局記号的な名前以外も必要になりましたが……)、こうして『メガストラクチャー』は完結することができました。
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今後のことですが、『メガストラクチャー』を書くために停止していた小説をまずは書きあげます(2022年12月に書き始め、編集履歴が2023年9月で途絶えている)。土臭い小説です。
それをカクヨムに公開するかはまだわかりませんが、いつかきっとまた、なにかしらの小説をカクヨムにも投稿すると思います。
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最後に、『メガストラクチャー』を読んでくださったあなたに、あらためて感謝をお伝えしたいです。完結できたのは、あなたのおかげです。ほんとうにありがとうございました。