本作を執筆するにあたり、主に岡本守彦先生の「飛騨中世史の研究」、谷口研語先生の「飛騨三木一族」を参考にしております。戦国期飛騨関連の研究書、その他読み物が圧倒的に不足している中、両書は本作の羅針盤として欠かせない参考文献となりました。
ただ、いずれも良頼の飛騨国司叙任、姉小路古川継承の経過については歴史的事実を追っただけという感がどうにも否めませんでした。特に「飛騨中世史の研究」では、これらの事蹟を「良頼の叙任狂い」と矮小化して評しており、その経過を追跡して検討を加えた形跡が見当たらないのが不満でした。ある意味それを知りたくて購入したのにもかかわらず。
「姉小路古川継承」ではその経過を、フィクションを大胆に織り交ぜながら記していきます。堅苦しい話が続きますが、きっと興味深くお読みいただけるかと思います。