• 詩・童話・その他

少しだけ丁寧な生活の話

最近、何故だか酷く穏やかに生きている気がする。

元々そんなに生きるのが上手くないから、
ストレスがたまりやすいのだけれど、それを発散するのが凄く下手で、
ストレスと比例するように、口数がめっぽう減る。

自分でも分かっているが、あまり上手く立ち回ることができない。
この身体として生まれてからもう18年も経とうとしているのに、
未だに自分の身体を上手く扱うことができない。

そんなとき私は、少しだけ丁寧に生きる。
作り笑いも、つまらない話も、そんなことできる余裕はないから、
少しだけ、丁寧に生きる。

一人きりの昼食に品目を増やしたり、
刺繍をしたり、少しだけ高いお茶を淹れたり、
部屋を掃除したり、植物の植え替えをしたり、
本を読んだり、ノートを書いたりする。

将来への焦燥に駆られながら、
何事もないように、少しだけ丁寧に過ごす。

何も解決されない時間の中で、
少しづつ、少しづつ。麗らかな陽気に薄氷が溶けるように。
ゆっくり。丁寧に。自分を豊かにしていく。

それが私が私にできる、唯一の「何か」だから。

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