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文章の直し方について

特に深い意味はないのですが。

『メイドin異世界《ファンタジア》』の推敲や文章を作成する際に、
自分で気をつけていることを文章にまとめてみようと思います。
ちゃんと自分で実行できてない所もあるので、その検証のためにも。

特に深い意味はないのですが。




⚫︎よく言われる文章ルールについての個人的意見

1、【「…」と「-」は偶数で使用する】
これは別に気にしなくても良い。
物理書籍に印刷する際の組版上の都合が原点だそうなので。
まあ「三点リーダ偶数警察」もいるので、気になるなら偶数で。
パッと見でも印象に残りやすいから、悪い手ではない。


2、【感嘆符、疑問符のあとに文章を続ける時は1マス、空白を入れる】
これは文面の読みやすさに関わるのでやった方が良い。
ただ、面白さを犠牲にしてまでやることではない。


3、【セリフを句読点で終わらせて、鉤括弧で閉じてはいけない】
国語では正しいが、小説の面白さまで犠牲にすることではない。
せいぜい句点(。)のあとに鉤括弧(」)で閉じるのは、若干気持ち悪いかなと思う程度。




⚫︎文章の修正について
【改行基準】
人それぞれやり方があるので、あくまで個人的なものとして。

1、1ビートの展開が大体14行以内に収まるようにする。
これはPC上でカクヨムを開いた場合に、スクロールせずに読める行数の値。最大値はもっと大きいが、目一杯やるよりもこれくらいの方が読みやすい。

2、1ビートごとに改行を挟む。
読者がスクロールする位置を定めやすいように。一つの意味合いでまとまった塊ごとに読んでスクロールした方が読みやすい。


※「ビート」について
映画脚本用語。「一つの展開」を指す。
起承転結で例えるなら「起」で一つのビート。
ただ個人的に「同じ意味合いの塊」の最小単位を指す言葉として利用している。(某長谷先生がとある場所で話していたのを自己流に解釈)
なので、本来の意味とは異なるので注意。


【文章のビートの分割と削減】
ビートはそれ一つが読者に与える印象に、一つの方向性を持っている。
故に、方向性の違うビートを組み合わせる事で読者を飽きさせずに読みやすい文章が構成できる。(と仮定する)

上記の理由から、方向性が同一のビートは一つにまとめて文章を削減。
また、2つ以上のビートを持つ文章の塊は二つに分割。
それによって似たような文面が続いてしまう場合には、文面構成ストックを参照して文面構成を組み直す。

最後に読者側の関心誘導線(どこに注目して楽しみ、どんな感情を想起されるかの流れ)をチェックし、問題無さそうなら次の修正に移る。


※文面構成ストックは、
小説やゲームで「面白い文面構成をしているな」と感じたものを写経してストックしているもの。
僕個人としては、基本的なものを片山憲太郎先生から、
応用的なものは秋山瑞人先生、奈良原一鉄先生、奈須きのこ先生、あざの耕平先生、長谷敏司先生らの作品から参考にする事が多いです。





⚫︎文章の作成について(作成時)
・概要
【基幹となる文】をビート毎に配置し、
そのあとに基幹文と基幹文の間の【補完文章】を作成。

・趣旨
【基幹文】を先に箇条書きのように列挙して、
文章の流れを先に作っておいた方が、物語の流れを把握しやすい。

また基幹文を別途作成することで、
「印象に残る文」という事に専念して作成ができる。
合間にいれる文章を【補完文】として後から挿入することで
「わかりやすさ」に専念して作成することができる。

「読みやすさ」と「執筆速度の向上」
という点に注力したやり方。


・具体的方法
「基幹文章」は”凝った文面の小見出し”というイメージで作成。
役割としてはニュース記事の見出しに近い。
これは情景描写でも台詞でもなんでも良い。
文章単体で印象に残るような凝った文面、台詞で作成。
同時に「これからこの話をします」というのが、ざっくり読者に伝わると尚良い。
これを一文だけで作成する。


「補完文章」は大きく分けて二種類。
1、情景や背景を細かく説明する文章。
  (これは4〜8文程度)

2、説明した文章を「つまりどういう事なのか」と、
  一言でまとめる文章。
  (これは多くても2〜3文程度。
   それ以上必要なら、二つのビートに分割する)


実際の文面としては

【基幹文】(改行)
【補完文1】(4文書いて改行)
【補完文2】(まとめに一文)
【基幹文】(次へ繋がる基幹文)

というのを1セットにして、作成していく。
この一塊を「ビート」と呼ぶ。
「ビート」は同一の意味をもった文面のまとまり。同一の意味とは、キャラクターの感情の方向性が同一の場合や、同一情景描写、同一設定の説明などを指す。
(映画脚本用語ですが、本来の使い方とは違うので、あくまで便宜上です)


例;『メイドin異世界3話scene01より』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【基幹文1】
 野心と立場のある人間は、必ずと言っていいほど自身の運命を自分で決めたがる。

【補完文1】
 彼らは話し合いもするし、皆と協力もする。
 だが、それは形だけだ。
 話し合いの主導権を握って結論を誘導し、協力と言いながら他者を上手く利用する。そういう人間にとって他者という存在は、自分の手足として利用するもので、その逆はあり得ない。対等な立場での取引きがあっても、相手にだけ利用される事を許さない。

【補完文2】
 そんな人間が「公女を殺さねば全員殺す」と神のような力を持つ存在に言われて、大人しく『町の皆で話し合って決める』なんて事をするだろうか?
 ――するわけがない。

【基幹文2】
 つまりシュヴァルツァーという男も、そうだったということだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

※補足
【基幹文】は、印象に残すために一文だけで構成し、ネットで掲載する際には改行して強調する。
【補完文1】は、改行を減らして「語っている内容」ごとに一塊にする。


※余談
読者内印象時間は、
改行した場合に遅くなり、
長文を改行せずに連続させると早くなるというのが定説。
(現役作家から聞いた話ですが、たしか何かの文章指南書でも読みました。今度参照元を確かめておきます)

故に、サッと流したい文面は改行しない長文、
印象に残したい文面は短くして改行する。
という手が使える。(あくまで一つの手段ですが)

また戦闘描写でもこれを利用して
「高速戦闘シーン」と「スローモーションシーン」
をある程度演出可能になる。

ドッグファイトで一進一退の攻防を見せる時は、
あえて全体としての印象を長文で演出して描写することで高速戦闘(板野サーカスのような)を演出することができる。
ただし、これは読者の脳内に高速戦闘を行うアニメなどのイメージがある場合に限る。読者の脳内にあるイメージを引き出すことが前提なので、記憶が想起されやすくなるストーリー展開と文面を先に配置しておく。

例:
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それは一種の求愛行動にも似ていた。

紅い稲妻と蒼い閃光が、相克する螺旋を描きながら天へと駆け上がっていく。炸裂する反応弾の輝きも、幾条も煌めく凝集光砲の光も、紅と蒼に追いつくことは叶わない。音速を彼方に置き捨てて、光速に至らんと駆け上がる二条の光。時折ぶつかり合う紅と蒼の姿は、求め合う恋人のようでもあった。

ぶつけ合うものが、高周波ブレードの切っ先でなければの話だが。

「九条ぉッ!」

蒼が紅へと襲いかかる。
人間をそのまま拡大したような、10メートル大の巨大な甲冑。機巧騎士と呼ばれる人型戦闘機が太身の剣を振りかぶって叩きつけた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
即興なので微妙なところもありますが、イメージとしてはこんな感じ。


また、
敵を倒す瞬間は、短文で改行を多用することで、読者が受ける印象としてはスローモーションシーン(ジョン・ウー監督の白い鳩が飛ぶシーンのような)と同様になる。
また短文の方が読者の理解も進むので、映像として想起させやすくなる。
ただ、短文で構成するぶん必要な情景描写等は先に済ませておくことが条件。ここで事細かに描写するとむしろ文章のリズムを崩すので。

例文は割愛します。









そのうち「凡才のための執筆工程表」に反映しようと思います。
ただこれは、あくまでワナビでしかない僕個人が、
創作指南書等を参考にしながら個人的にまとめた内容です。
ワナビの妄言です。


深い意味はないですが、ここに載せておきます。

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