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空想優位

 先週、大学の講義で認知特性について簡単に学んだ。認知特性とは脳中の処理方法のことで、人は主に視覚優位、聴覚優位、言語優位などがあるとのこと。言わば、何か物を記憶するときに映像で覚えるか、音で覚えるか、言葉で覚えるかという話である。
 この話を聞いた時、少し頭が混乱して、宇宙のことを考える時と同じ感覚が脳内にあった。私には音や言語で記憶するということが全く想像ができなかった。
 つまりは、私は完全な視覚優位であるのだが、しかし私はこれにも若干の感覚のズレを感じる。自分が視覚優位であることを確認するために幾つか昔の記憶を引っ張り出して見た際、確かに全て映像で思い浮かぶのだが、そこには空想も加わっていることに気がつく。

昔遊んだ公園の記憶の映像にはポケモンがいる。
かつて行った城には戦っている兵隊がいる。
よく通った歩道橋の上には夕焼けに照らされたドラゴンがいる。

私は情報に空想を付け加えて覚える空想優位なのだ。

と、ここまで書いた段階で何だかこれは認知特性とは全く関係のない事柄のようにも思えてきた。
ただ覚えたての知識でそれっぽく語ってみたくなっただけなのかも知れない。今、この文は終電に揺られながら書いている。隣の人は完全に酔い潰れているし、ダメージジーンズを履いたカップルが騒いでいる。もう寝よう。今考えたこの変な文章こそ、ただの空想に過ぎない。

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