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肉体の生、精神の死

死にたいなって。死んでしまえたら楽だろうなって。

ずっと、そんなこと思わなかった。
生きてやるって思っていた。
きっと、僕は幸せになれるんじゃないかと思っていた。

淡い期待だった。
思い知った。痛いほどに。切ないほどに。
心にひどく大きな穴が開いて、ああもうこの穴は塞がらないんだなって思った。

ときどき、何も残っていない僕を、嫌になる。
最近は、そんなんじゃなくて、僕の語彙力じゃ表せられない。
やっと抱きしめたと思ったら、すぐに見失って、もう二度と触れることができないんだ。
だからそれを探すために生きるんだって? そんなことできっこないよ。
今、欲しいんだ。もう追いかける気力もなくてさ。ぽんって現れてほしいんだ。

……思うんだ。こんなんじゃダメだ。一生このままだ。
変わらなければいけない。成長しなければいけない。
いや、違う。もうこんな自分を携えて残りの人生生きられない。

だから僕は、歩くのをやめる。
どうせ上手な歩き方なんてわからないんだしさ。
でも、肉体は失いたくない。
だから、この精神の生を終わりにしようと思う。
『青い海黒い海』だったけ。どこかで川端康成が言っていたようなあの感じ。
suisさんがヨルシカを始めるときに自分は死んだと言った、その感じ。
そして生まれ変わったと言った。

だから、僕も死ぬんだ!!!
……グサッ…うっ…………。


死ぬってこんな感じ? え?え? 安っぽくない???
ふーーーん。なーんだへっちゃらじゃないの!
よしよし、僕は生きる。新しい僕は前を見る。
想い出はもう、漁らない。だって僕は今生まれたんだもの。
はは。腑抜けた人間になりたかった。
だから、この人生はへらへら笑って過ごすんだ。
理屈じゃないものが知りたいんだ。

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