この度、「大正時代までを舞台orモチーフにした作品、集まれ!」という企画に参加させていただきました。
その参加条件として、この「鞍作鳥の飛鳥日記」の第一章までの見所を綴らせていただきます。
まず、第一章までの登場人物の中で一番好きなのは主人公の鞍作鳥(作中では止利表記)です。厩戸皇子の側近たちを描くにあたって、敢えて皇族や豪族という立場ではない彼を主人公に選びましたが、長く物語を書けば書くほどその選択は正しかったなという気持ちが大きくなってきています。第一章では、まだ複雑な情勢を知らない明るく純粋な様子が彼の見所です。
そして第一章までの部分で一番好きな台詞は、調子麻呂が主人の厩戸について語った時の、「とても優しくて、美しいお方です。彼は我々舎人の誇りですから」という言葉です。厩戸を一番よく知っている舎人だからこその言葉だと思います。調子麻呂の過去などまだ公開できない部分は多いですが、第一章の中だけでも彼と厩戸の絆を表現出来るよう頑張りました。
以上が第一章の見所です。長くなってしまい申し訳ございません。私としては第四章以降の仄暗い展開が好きなのですが、その前段階の対比部分として、第一章の明るく柔らかな日常風景を楽しんでいただければ幸いです。
この度は素敵な企画を立てて下さりありがとうございました。日本史好きとして感謝申し上げます。