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譲状と見せかけて悔返文を書く話

連休と思って次々と更新して申し訳ございません。
「罪科」飛び石連休を挟んで一気に更新しました。いや、三まで見せないと罪のひとつも出てこないので。

ようやくタグに入れた「陰謀」が姿を見せ始めました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
まあ佐保姫は皆様お気づきだったことと思いますが。

6話ラストで惟國の譲状を出しました。現代仮名遣いに直しましたが、これが実際の全文です。
内容に関しては、これによって何が起きたかや、前提として何があるのかが全く阿蘇文書内の記録として残っておらず、惟種が何故祖父から継いだ柏村を「罪科によって」本来悔返を行う対象とは言えない叔父惟國によって闕所(鎌倉・室町時代においては所領を取り上げられること、また、その所領のこと)されたのかもさっぱりわかりません。
※悔返自体はそのうち、主君から家臣へも行われるようになったので、まあその一環と言えば一環なのですが、理由がわからんのはそのままです。

まあその「わからん」を利用して書いてるのがコチラの創作になります。

ちなみに柏村という村自体も、現在のところ比定地(ここのことだろって小字などを照会すること)が定まっていないらしいので、おそらくここのことでは?という阿蘇郷内の柏がつく地名を想定しています。


譲状と見せかけた悔返、阿蘇家文書にはこの惟國のものと、実は小次郎(惟澄)のもっと厳しいのと2通、少なくとも残っています(小次郎のはこの書状と別にそれぞれに対する白文の譲状がありますので、正確には「置文」と呼ばれます)。
小次郎のは政治的事情か、少し曖昧に書いてある部分もありますが、「これが悔返でなければどれが悔返なんだ?」というぐらい、悔返対象者に対してその理由をはっきりとさせ、めちゃくちゃ怒っているのが判る文章になっています。
この小説がちゃんと続けられれば、いずれ登場することになると思います。
ちょっと前に惟澄研究本で一度全文訳したので、早くお読みになりたいという奇特な方がいれば、boothで『阿蘇惟澄 異端の阿蘇大宮司(増補改訂版)』がありますのでそちらをご覧くださいませ(隙あらば自分の宣伝)。

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