『5話 大切な友達』
本当に、何一つ上手くいかないな。
呑み込んだ言葉は、魚の骨のようにずっと喉の奥につっかえたままだ。
「とりあえず! 明日も姫花は来るっていう前提で動こうぜ。今日はやることもないし、俺らも早く帰っておくか。なぁ、王子様」
「ひっぱらないでくれよ、それ……」
長い付き合いなのだ。言葉には出さないだけで、僕らはお互いの気持ちが、手に取るようにわかってしまう。
今日のところは、真人なりの優しさに乗っかってあげよう。過剰に心配するわけでもない、この距離感が僕にはとても心地良かった。
※ animeAIdrawing というアプリで作成したAIイラストになります。
※5話より、主人公の親友、真人の挿絵になります。