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【読書日記】『デモンズ・クレスト1 現実∽侵食』感想

■目の前に広がる信じがたい光景は、紛れもない現実だ。

『アクセル・ワールド』『ソードアート・オンライン』といった作品で知られる川原礫先生の完全新作。
「これはゲームであって、そして現実だ」という、SAOを想起させるキャッチコピーや、VRMMORPG《アクチュアル・マジック》と密接な関係にあるストーリーから、川原礫先生の過去作のようなイメージが浮かぶものの、この『デモンズ・クレスト』はそれらとは完全に別ベルトルの作品だ。

というのもこれは、ゲームを中心とした物語ではない。その内容はアミューズメント施設『アルテア』を舞台にしたクローズド・サークル、あるいはゲームの世界のモンスターが襲ってくるサバイバル・ホラーと呼ぶのが正しいだろう。
現実世界が舞台であるため、容赦のない死の危険性に、血なまぐさい惨状が展開される。主要人物が小学生とは思えない衝撃の展開に、ゲームらしい『明るさ』や『軽さ』を期待して読み始めると、残念ながら『思ってたのと違う』となるかもしれない。逆にゲーム要素とミステリー、あるいはホラーの両方が好きな人には刺さる作品になるかもしれない。

この巻は物語の序章に過ぎず、ミステリーでいうところの出題編だ。故に、この一冊を読んだだけで正しい評価をするのは難しい。現実世界で何が起きているのか、読み進めるほどに謎が謎を呼び、物語の中へと引き込まれてゆく。
残念ながらこの巻では謎に対して答えが示されず、読者は推測することしかできないが、それも正解が明かされる前ならではの楽しみだろう。

非常に気になる終わり方ということもあって、謎が明かされてゆくであろう続巻が今から楽しみです。

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